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白内障ってどんな病気 水晶体が濁り視力低下…手術は日帰り

7月23日9時42分配信 産経新聞

 目の水晶体が濁って視力障害を起こす白内障。タレントのタモリさん(63)が左目の手術のため1週間の休養を取ったことで話題になったが、中高年なら誰にでも起こる病気だ。10分程度の短時間の手術でぼやけた視界を回復できるが、まだまだ知らない人も少なくない。白内障の症状や最新の治療法を専門家に聞いた。(中曽根聖子)

 ◆年間で100万件

 白内障はカメラのレンズに相当する目の水晶体が白く濁り、視力が低下する病気。本来は透明な水晶体が濁ると、光が乱反射するなどして網膜に鮮明な像が結べなくなる。アトピー性皮膚炎や糖尿病、外傷などが原因で起きることもあるが、そのほとんどは加齢に伴う「老人性白内障」だ。白髪や肌のシワと同様に誰にでも起こる老化現象の一種で、早ければ40代から症状が現れ、80歳以上ではほとんどの人に確認されるという。

 痛みやかゆみはなく、物がかすむ、明るい所がまぶしい、夕方になると見えにくい、乱視が進むといった症状が一般的。これまでに3万5千件の手術を手掛けた北里大学医学部(神奈川県相模原市)眼科学教室の清水公也主任教授は「白内障は症状が進行しても手術によって視力を取り戻すことができる。ただ、緑内障など他の病気を併発している場合もあるので、自覚症状に気付いたら早めに検査を受けることが大切」と呼びかける。

 白内障の治療は濁った水晶体を超音波で砕いて吸い取り、人工の眼内レンズを埋め込む手術が主流だ。目の状態や施設によっても異なるが、手術自体は10分から30分程度と短時間で終わり、日帰り手術も定着。高齢化とともに患者は増加傾向にあり、国内の手術件数は年間100万件に上ると推定される。

 ◆近くも遠くも

 ただ、これまでは1つの距離にピントを合わせた「単焦点眼内レンズ」を使うケースが多く、遠近の調節ができなかった。例えば、遠くにピントを合わせたレンズを使うと、遠くの景色はくっきり見えても、手元の携帯電話や本を読むときには老眼鏡が必要になる。

 一方、自費診療ながら一部の医療機関で導入されつつあるのが「多焦点眼内レンズ」だ。清水教授は「遠近両用の多焦点レンズを使った最新の手術によって、近視、遠視、老眼を同時に治すことが可能になった。患者さんは近くも遠くも眼鏡なしの快適な生活を送ることができる」と説明。北里大病院で手術を受けた60代の女性は「以前は視界がぼやけて自転車に乗るのも怖かった。今は遠くの景色もパソコンも眼鏡なしでよく見えるし、何よりも人の表情がはっきり見えるのがうれしい」と喜ぶ。

 タモリさんも10分程度の手術で、あっという間にテレビに復帰。所属事務所によると、白内障の症状は約2カ月前からみられたというが、どのタイミングで手術を受けるべきなのか。清水教授は「車の運転や仕事など日常生活に支障を感じたときは、早めに手術を考えて」とアドバイスする。

                   ◇

 ■ビタミンC摂取が効果あり?

 ビタミンCを食事から多く摂取する人ほど老人性白内障になりにくいことが、厚生労働省研究班が平成19年にまとめた調査結果で明らかになっている。 

 調査は平成7年から岩手、秋田、長野、沖縄の4県に住む45〜64歳の男女3万5千人を対象に実施。ビタミンCの摂取量で分けた男女5グループのうち、摂取量が最も多いグループの発症リスクは、最も少ないグループに比べて男性で35%、女性で41%低かった。白内障の手術を受ける割合も、男性で30%、女性で36%低かった。

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最終更新:7月23日9時42分

産経新聞

 

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