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宇多田ヒカル インタビュー

エヴァと宇多田ヒカルの赤い糸のようなつながりは、やはり偶然ではなく必然だったのかもしれない。

さて、3曲目には2000年にリリースした5thシングル「Wait & See 〜リスク〜」のカップリング曲を新しくミックスした「Fly Me To The Moon(In Other Words)- 2007 MIX-」を収録。この新バージョンは映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』劇場予告編のみで使用され、本編では流れない“レアもの”だ。

宇多田ヒカル:ま、この曲は“エヴァンゲリオン”のテーマ曲みたいなものではあるけど、それ以外でもこれまでにいろんな人達がカバーしている曲だからね。7年前の自分の声はめちゃくちゃ恥ずかしくて聞けないのよ! でも、歌詞のとらえ方みたいなものは7年前と今とでは別に変わってないかな。ただ、今歌ったらああいう歌い方はしないと思う。なんか、すっごくかわいいんだよ。シュビドゥパッパとか言ってるよ! 言っちゃったのかよ! 言ってみちゃったのかよ! って感じ(笑)

約7年前の宇多田ヒカルは、まだ“エヴァンゲリオン”の存在を知らなかった。つまりこの「Fly Me To The Moon」という楽曲が“エヴァンゲリオン”にとって大切な曲であるという事ももちろん知ってはいなかった。彼女は子供の頃にピアノの先生からもらったジャズの楽譜でこの曲の事を知り、その後NYでピアノ譜を探してからは、何度も練習をするくらいに「Fly Me To The Moon」が好きだった。

宇多田ヒカル:だから、「Wait & See 〜リスク〜」のカップリングでカバーをやろうって話になった時に、「Fly Me To The Moon」か「Moon River」をやりたい!! って言ったんだよね。

もともと3拍子の原曲を、宇多田ヒカルは“自分のバージョン”にするために、4拍子を取り入れたり、テンポを変えたり、何度も作業を繰り返しながら完成させた。当時17歳だった彼女は詞曲だけではなく、アレンジメントに関しても大いに、その才能をカバー曲という場所でも私たちに届けてくれていたのだった。その作品が、年月を越え、映画『エヴァンゲリヲン新劇場版:序』の予告編で流れる。エヴァのことをまだ知らなかったあのころの彼女に、何年か経ったらヒッキーはエヴァが好きになって、そのエヴァの映画の主題歌を作って、その映画の予告編に「Fly Me To The Moon(In Other Words)- 2007 MIX-」が使われるんだよ…なぁんて、教えてあげたら、宇多田ヒカルはどんな反応をするんだろう。そんな有り得ない事を考えながらも、エヴァと宇多田ヒカルの赤い糸のようなつながりは、やはり偶然ではなく必然だったのかもしれないと思った。

取材・文/松浦 靖恵