国立環境研究所は6日、自動車の二酸化炭素(CO2)排出量が市区町村ごとにひと目でわかるマップをつくったと発表した。共通した都市機能を持つはずの県庁所在地同士で比べると、最多の水戸市の排出量は奈良市の2倍以上もあり、公共交通機関の使い勝手や市域の広さなどに起因した差が大きく出ているという。
研究所のウェブサイトで「自動車CO2排出量マップ」として公開を始めた。住民1人当たりの年間排出量を「0.5トン未満」から「3トン以上」まで7段階に分け、市区町村ごとに色分けした。見たい市区町村をクリックすると排出量の数値が示される。
住民1人当たりの排出量は、人口が密集する東京23区や横浜市、千葉市などで少なく、人口が少なくて車への依存度の高い地方の自治体ほど多い傾向にある。同じ都心部や地方同士の自治体間でも、差が見られることもわかった。
表示するデータは、各自治体内で登録されている車について車種ごとの排出係数と、国土交通省がつくる「道路交通センサス」の交通量の値を掛け合わせて計算した。
研究所の松本公男・環境情報センター長は「排出削減は産業界だけでなく、地域や家庭の取り組みが重要。マップを自治体の計画立案の参考にしてほしい」と話している。
マップの掲載サイトは、http://www-gis.nies.go.jp。(嘉幡久敬)