リニア中央新幹線計画の輸送需要などで、南アルプスを貫通するCルートが、迂回(うかい)するBルートより優れているとの試算をJR東海が公表した21日、村井仁知事は「さらに情報の開示を求めたい」と従来通りの見解を示した。
村井知事はこの日、松本市で開かれた中央東線高速化促進広域期成同盟会の定期総会に出席。報道陣に「数字の根拠は十分に吟味しないといけない」と話し、情報共有を進めていく姿勢を強調した。
Bルート沿線の伊那市の小坂樫男市長は「Cルートありきの数字だと思う」と反発。「需要量などの計算方法もよく分からない。まずは(6月に示された)建設費の積算根拠を示してほしい」とJR側に説明を求めた。
一方、B、Cルート双方で沿線となる飯田市の牧野光朗市長は「数値が具体化して総合的な判断ができる材料が示されることは、早期着工、早期実現、飯田駅の設置につながると期待している」と談話を発表。ルート別の具体的な数字の比較には言及を避けた。
長野市内で会見したJR東海の増田幸宏取締役は、今後、輸送需要などについて地元期成同盟会向けの説明会を開くことを明らかにした。
(リニア中央新幹線取材班)
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