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トカラ列島など皆既日食、真夜中のような闇に歓声

 日本の陸地では46年ぶりとなる皆既日食が22日午前、鹿児島県トカラ列島や奄美大島などで起きた。

 しかし、本州の太平洋沿岸沿いに停滞する梅雨前線の影響で、日本列島は沖縄以外は曇りや雨の空模様。

 人の住む陸地としては最も長い時間、皆既状態が続いたトカラ列島の悪石島(あくせきじま)などでは、厚い雲のため地上からは直接観測できなかったが、皆既時間帯には真夜中のような闇につつまれ、集結した天文ファンから歓声が上がった。

 皆既日食は日本時間午前10時前にインド西部で始まり、その地域は徐々に東へ移動。中国を経て、日本では午前11時前、鹿児島県の種子島南側からトカラ列島、奄美大島北側にかけてが皆既状態となった。

 同11時半ごろには東京都の小笠原諸島の一部でも皆既状態に入った。同諸島南東沖の海域では皆既状態が最大で6分半以上続き、今世紀に世界で起きる皆既日食の中で最長と予測された。

 国内で皆既日食が見られる地域は離島に限られたため、トカラ列島を擁する十島村は旅行者をツアー参加のみに制限した。それでも、人口計622人に対し、村外からの旅行客が約680人に上り、体育館を臨時宿泊所にするなどして対応した。

 部分日食は全国各地で起き、雲に包まれた東京では午前11時過ぎ、太陽の直径の75%まで月に隠された模様。日本で次の皆既日食は2035年9月、北陸や北関東で見られる。

2009年7月22日  読売新聞)
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