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【自民党を震え上がらす これが小沢選挙だ】   ゲンダイ

【自民党を震え上がらす これが小沢選挙だ】


2009年7月7日 掲載
50の重点選挙区に集中支援

小選挙区150制覇はこう進んでいる

 小沢代表代行の選挙の特色は「選択と集中」にある。選挙に勝つために、どうすれば限られた「資金」や「人材」を有効活用できるか徹底している。
 その徹底ぶりが、ある時は「冷徹」に映るようだ。
 小沢は、民主党が政権を取るためには、最低でも、小選挙区で過半数の150超を獲得する必要があると考えている。そのために、勝敗ラインぎりぎりの「重点選挙区」だけを集中的にテコ入れする戦略だ。「重点選挙区」以外は、ほとんど支援しないのが、小沢流である。
「前回、小選挙区で勝った約50人は、なにがあっても当選するだろうから支援するつもりはない。比例区で復活した約50人も、自力で小選挙区で勝ち上がってもらわないと話にならないので最低限のカネしか流さない。問題は残りの50人です。ここに資金を集中投下するのです。小沢さんが誇る『秘書軍団』も、この50人を中心に張りつけています」(政界関係者)
 全国行脚する時も、激戦区ばかり選んでいる。たとえ、小沢に近い「一新会倶楽部」のメンバーでも、勝てそうもない選挙区には足を運ばない。逆に、小沢と距離が遠くても、「重点選挙区」は好き嫌いに関係なくテコ入れしている。非常に合理的だ。
 現職の岩国哲人を神奈川8区で公認しなかったのも、公認しても勝てないし、公認したら無所属の江田憲司と共倒れになって自民党を利するだけだと判断したからだ。現職議員を切り捨てる冷徹なことは、普通の党首にはできない。
「2年前の参院選の時、小沢さんは勝敗を決する1人区に集中的に資金を投入した。あまりにも大胆なカネの使い方に、ある幹部が『次の総選挙のために、少しカネを残したほうがいいのでは』と話すと、『なにを言っているのか。選挙に負けてカネを残しても仕方がない。すべて注ぎ込む』と一歩も引かなかった。結果的に29ある1人区で23勝6敗と圧勝しています」(民主党事情通)
 衆院選の小選挙区150制覇も、小沢選挙なら難しいことではない。

【自民党を震え上がらす これが小沢選挙だ】


2009年7月3日 掲載
全国に散る伝説の「秘書軍団」の役割

その働きに野田佳彦も驚く

 小沢一郎の「選挙の強さ」を語るうえで欠かせないのが、選挙を熟知した「秘書軍団」の存在だ。小沢の手足として日本全国に派遣され、重点選挙区を渡り歩いている。
「これまで民主党は『正規軍』だけでしたが、小沢さんが代表になって秘書軍団が『ゲリラ部隊』として加わった。これが大きい」と評価するのは、民主党関係者だ。
“伝説”にもなっている小沢秘書軍団は、ざっと15人前後。多くが小沢邸に住み込み、寝食をともにした「書生」上がりだ。
「ゲリラ部隊」と称されるのは、「自己完結」だからである。交通費、宿泊費、レンタカー代、ガソリン代、飲食代……党や候補者に一切頼らない。現地での活動も党の指示を受けず、独自に動いている。それが出来るのも、当選のためには、なにをすればいいのか、自分で判断できる選挙のプロぞろいだからだ。
「秘書軍団は、北海道、東北、九州、四国と、それぞれ担当する地域を割り振られます。1人の候補者に張りついているわけではありません。任された地域の全責任を負わされる。それだけに、『仲間の秘書に負けられない』とみな死に物狂いです。昨年秋に担当地域に派遣されてから、東京に戻ってくるのは、1カ月に1回です」(民主党事情通)
 秘書軍団は、ある候補者の事務所に派遣されると、率先して動き回る。誰よりも朝早く事務所に行き、ビラ配り、戸別訪問、後援会づくり、ミニ集会の開き方、支持団体との付き合い方などで手本を見せる。自分でやってみせて教え込む。候補者やスタッフがある程度覚えたら、次の候補者の事務所へと渡り歩いていく。
 党本部や県連から派遣された「正規軍」のように、ふんぞり返っていることは決してない。幹事長代理の野田佳彦(千葉4区)は、派遣された秘書軍団のひとりが、ある日はミニ集会での司会、ある日は会場の入り口でのビラ配りと、いつも見かけるので「君はどこにでもいるな」と、24時間フル活動していることに驚いたという。

居酒屋「膝詰め」談義で労組幹部を掌握

先鋭的な左派まで小沢ファン

「大衆」を動かす時は短時間でもいいから数多くの人と会うのが小沢選挙。だが、「組織」に対しては、手法が全く異なる。徹底した「膝詰め」で時間をかけて相手の気持ちを掴むのだ。
 06年の千葉7区補選の時のこと。労組対策で、当時代表だった小沢が真っ先に会いに行ったのは、地元の小さな単組、それも旧総評系の組合だった。
「旧総評系は今でも社民党支持の先鋭的な左派組合が多い。保守の小沢さんからは一番遠い存在なのに、真っ先にわざわざ訪ねてくれたことで、そこの組合員はみな意気に感じて、逆に小沢ファンになってしまった」(旧総評系組合員)
 選挙の応援を頼むのに、小沢は理屈など並べなかったという。
「『力を合わせて、政権交代を実現しよう』。とにかく、これだけでした。それ以後、小沢さんのためならやる、という空気ができました」(前出の組合員)
 前原元代表時代にギクシャクした労組との関係を修復するため、小沢は代表就任直後に自ら連合本部に挨拶に出向いた。以降、小沢が地方行脚する際は、連合政治センターの山口茂記事務局長が帯同し、連合の地域本部を訪ねている。
 地方行脚では、小沢は現場の労組幹部に会う。居酒屋で一緒に酒を酌み交わし、じっくり話を聴く。しかも、必ず上着を脱ぐ。
「そういう時、小沢さんは、一番狭い部屋を用意させるんです。からだを寄せ合うくらいの距離で話し込む。そうすることで、初めて一体感が生まれる」(民主党関係者)
 この前の代表選でも分かるように、いまや小沢は党内の旧社会党系議員をほとんど味方に取り込んでいる。代表代行の輿石東や衆院副議長の横路孝弘ら大幹部も小沢の仲間だ。彼らの支持母体の労組が“小沢ファン”になっているのだから、当然である。

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