イラン最高指導者、反体制派に警告　社会不安招くなと

テヘラン（ＣＮＮ）　イラン最高指導者のハメネイ師は２０日、反体制派に対して、社会を不安定な状態に向かわせないよう警告した。国営イラン通信（ＩＲＮＡ）が伝えた。

ハメネイ師は、神がムハンマドを預言者に選んだイスラム暦の記念日にあたり、指導者らに対する演説の中で、反体制派が試されており、乗り越えることができなかった場合は崩壊を意味すると述べた。

ハメネイ師は、保守派アフマディネジャド大統領の再選が確定した先月のイラン大統領選の結果を支持している。同師は、選挙に不正があったとして改革派が実施した大規模抗議デモが、外国の政府やメディアによる内政干渉の結果だとあらためて強調。「高慢な大国のメディアは暴徒を支持するため、彼らを『人民』と呼んだ。しかし人民とは（デモを）傍観し、軽蔑と憎しみを持って（暴徒を）見ていた人々だ」と述べた。

イラン労働通信はこの日、大統領選で敗れた改革派ムサビ元首相が、当局に拘束されているデモ参加者の家族らを訪問し、釈放を求める考えをあらためて表明したと伝えた。先週には保守穏健派のラフサンジャニ元大統領も、同様の要求を提示している。

ハメネイ師はラフサンジャニ師を名指しすることを避けながら、「立場や役職にかかわらず、社会を不安定な方向に導く者は人民に憎まれるだろう」とコメントし、政治家が自身の発言や行動に慎重になるべきだとの認識を表明した。