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十勝毎日新聞社ニュース

トムラウシ山で9人死亡 本州ツアー者ら遭難

2009年07月17日 14時29分

悪天候、5人は自力下山
 【新得】16日午後3時55分ごろ、大雪山系トムラウシ山(2141メートル)を登山中の男女18人のパーティーのうち15人が、悪天候と疲労で動けなくなったと、ガイドの1人から携帯電話で新得署に110番通報が入った。17日午前4時から行われた上空と地上からの捜索で、正午までに全員を発見、ヘリコプターなどで病院に搬送したものの、男女8人の死亡が確認された。生存者は10人。5人は自力で登山口まで下山、5人が救助された。また、同パーティーとは別に、南沼付近で男性1人の遺体も発見。単独で登山を届け出ている茨城県在住の男性(64)の行方が分からないことから、道警などで確認を急いでいる。一夜にして9人の命が奪われるという、十勝の山岳遭難史上、最悪の大惨事となった。

道警ヘリで短縮登山口に運ばれてきた女性(17日午前5時20分ごろ、塩原真撮影)

管内山岳、最悪の惨事
 新得署によると、遭難したパーティーは、東京本社の旅行会社「アミューズトラベル」のツアー客。32−69歳の男女で、愛知県5人、広島県4人、静岡県2人、宮城、岐阜、山口、岡山県各1人の合わせて15人と、同社ガイドら3人。2泊3日の日程で、大雪山系旭岳からトムラウシ山を縦走。14日は白雲岳、15日はヒサゴ沼でそれぞれ1泊し、16日にトムラウシ山頂を経由して、同日午後3時半ごろ、短縮登山口に下山予定だった。

 道警は16日夜、新得署に対策室、短縮登山口に現地本部を設置。17日未明に広島県広島市・亀田通行さん(64)と同・前田和子さん(64)、宮城県仙台市・長田良子さん(68)と山口県岩国市・斐品真次さん(61)が、午前4時45分ころには愛知県清須市・戸田新介さん(65)がそれぞれ自力で下山した。

 17日午前4時、ヘリで上空からの捜索を開始。自衛隊鹿追駐屯地20人と道警山岳救助隊9人が山頂から、同救助隊6人と新得消防と十勝地方山岳遭難防止対策協議会各3人が短縮登山口から救助に向かった。

 同4時38分と同5時1分に、前トム平付近で女性1人ずつを発見。ヘリで収容し、清水町内と帯広市内の病院に搬送されたものの、死亡が確認された。その後、トムラ分岐付近と南沼キャンプ場付近で発見された男性、北沼付近でも男女4人を発見したが、いずれも搬送先の病院で死亡が確認された。

 一方、ヘリで救助されたのは静岡県浜松市、真鍋記余子さん(55)、岐阜県岐阜市、野首功さん(69)ら4人。さらに午前10時44分、一般登山客がコマドリ沢分岐の雪渓付近で倒れている人を発見。「名前を尋ねると、『まつもとひとし』と答え、『水をくれ』と言った」と、110番通報があった。行方不明だった愛知県一宮市のガイド、松本仁さん(38)と見られる。

 帯広測候所によると、上空1500メートルの気温は16日午後9時時点で13.2度。帯広上空2000メートルは同日、風速20−25メートルの風が吹いており、同測候所は「トムラウシ山頂付近でも同じような状況だったと予想される」と話している。

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