企業が恐れる特許戦争、訴訟費用が重い負担
「パテント・トロール」が本格的に国際舞台に登場したのは2005年。米インターデジタルという小規模企業がノキア、サムスン電子、LG電子など世界的な企業を相手取り訴訟を起こしてからだ。インターデジタルは無線通信技術分野の研究開発企業で、工場を持たず、社員数は300人に満たない。
同社は特許権訴訟をめぐり、ノキアから2億5000万ドル(約234億5000万円)、サムスン電子から1億3400万ウォン(約125億7000万円)の権利料を受け取ることに成功した。米マイクロソフト(MS)出身のネーザン・ミアボールド氏がインテレクチュアル・ベンチャーズ(IV)の最高経営責任者(CEO)として本格活動を開始したのもこのころだ。ミアボールドCEOは、マイクロソフト、アップル、ソニーなど世界的企業や大学基金、年金基金などから数十億ドルの資金を集め、「カネになりそうな特許」を無差別に買い付けている。米メディアが「ハイテク企業が最も怖がる人物」と呼ぶほどだ。
パテント・トロールの攻撃とは別に、企業間の特許紛争も急増している。世界的な景気低迷で企業間の競争が激化し、将来的なシェア確保を図る上で、生死を懸けた特許訴訟戦が至る所で起きている。
最近、有望産業として浮上している発光ダイオード(LED)の分野では、ソウル半導体と日本の日亜化学工業が4年間にわたり国際訴訟を繰り広げた。この訴訟は双方が特許を共有することで決着したが、ソウル半導体は中小企業にとっては重い600億ウォン(約44億円)もの訴訟費用の負担を強いられた。
サムスン電子、LG電子も海外企業のターゲットになっている。日米のライバルメーカーと比較し、目立って好業績を上げているため、特許攻撃によるけん制を仕掛けられているからだ。サムスン電子は昨年、日本のシャープ、日立製作所、パナソニックなど25社から28件の特許関連訴訟を起こされた。LG電子も最近、米家電大手のワールプールと訴訟合戦を展開している。業界関係者は「サムスン電子がフラッシュメモリーの技術を保有するサンディスクの買収に動いたのも、権利料の支払いを減らすと同時に、特許訴訟を事前に防ぐ意味があった」と指摘した。
趙亨来(チョ・ヒョンレ)記者
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