鹿児島県内の市で市職員労働組合事務所の使用料を徴収していないのは、全18市のうち10市あることが、西日本新聞のまとめで分かった。阿久根市で起きた使用許可取り消し問題を受け、伊佐市では組合の方から市に使用料徴収の話を持ち掛けたほか、4市で使用料の徴収や料金引き上げを検討している。同問題は県内の自治体に波紋を広げている。
まとめでは、市が組合事務所の使用を許可しているのは志布志市以外の全市。徴収していないのは鹿屋市や枕崎市など。鹿児島市や薩摩川内市などで徴収しており、年額は1200-16万8000円。光熱費は日置市といちき串木野市で市が負担している。
使用料について、伊佐市では組合側が「市民の理解が得られなくなる恐れがある」として、市に使用料負担を申し入れ。市と協議を進めている。徴収や料金引き上げを検討しているのは、鹿児島市や出水市など。鹿屋市と西之表市は阿久根市の問題が表面化する前から、歳入増収策の一環として使用料の徴収を組合と協議していた。
また、日置市は光熱費について組合と市とで考えが食い違ったため、市は「4年前から支払われていなかった」として徴収することにした。このほか、奄美市は事務所が庁舎内にあることの是非も含め、阿久根市の訴訟の行方を見ながら変更を検討するという。
自治労県本部の高橋誠書記次長は「組合が相当の負担をするのは当然で、使用料や光熱費の適正な負担を指導したい」と話している。
=2009/06/26付 西日本新聞朝刊=