トップ > 中日スポーツ > 格闘技 > 紙面から一覧 > 記事
【格闘技】菊野 撲殺デビュー ライト級に超新星2009年7月21日 紙面から
ライト級戦線に超新星が現れた−。極真空手出身のDEEPライト級王者・菊野克紀(27)がDREAMに初見参。ブラジルの強豪アンドレ・ジダ(25)を1回3分47秒、パウンドパンチでボコボコにしてTKO勝利。悲願のメジャーデビューを果たした菊野は大みそかでライト級のエース青木真也との一騎打ちを熱望した。ウエルター級GP決勝トーナメントは準決勝で桜井“マッハ”速人(33)をTKOで下したマリウス・ザロムスキー(28)が優勝した。 電光石火の早ワザだ。回しげりと前げりの中間の軌道で繰り出される必殺技“三日月げり”がジダのみぞおちに突き刺さった。ジダははた目には平然。しかし、「感触があった」とジダのやせ我慢を見抜いた菊野は、ヘナヘナと力の抜けるジダにタックルをかましてテイクダウン。一気に頭部に何度も正拳突きをたたき込んで初陣を飾った。 極真空手 出身の武道家。開始ゴングから異様な雰囲気を醸し出していた。空手の基本中の基本と言われる「サンチン」の構えでジダに強烈な圧力をかける。途中、ローキックにパンチを合わせられて強烈なカウンターを食らって尻もちをついたが、右構えからサウスポーにスイッチするなど作戦を変更。ジワリ、ジワリと迫った。 菊野は、極真仕込みの打撃を武器に総合格闘技イベントDEEPでデビュー。総合格闘技戦績は7戦無敗。無傷のままライト級王座を手に入れた。メジャー大会参戦は10年越しの夢。「別に挑発しているわけではない」。大舞台に立てるうれしさが込み上げる。試合中も常にニヤケ面。笑いながら正拳突きをたたき込む姿がなんとも不気味だ。 いとも簡単にDREAMライト級のトップファイターを仕留めた菊野。次なる目標は「ボクの打撃と青木選手の寝技の勝負がどんな試合になるのか」と、大胆にも大みそかでライト級エース青木真也との対戦を熱望した。「DEEPライト級王者の菊野克紀です。これからはボクの武道と心でDREAMと格闘技界を盛り上げる」。DREAMライト級戦線が面白くなってきた。 (石川晴信)
|