地元・三次の特産物「三次ピオーネ」の応援イベントに参加した中広。右は三次ピオーネ生産組合・片山理事長=そごう広島店
ボクシングの日本スーパーフライ級王者・中広大悟(27)=広島三栄=が20日、同級7位の本田秀伸(33)=グリーンツダ=との2度目の防衛戦(8月29日・県立みよし公園カルチャーセンター=本社後援)に勝利した場合、同級王者のベルトを返上し、WBCで世界戦へ挑戦する意向を明かした。同級はトマス・ロハス(メキシコ)が暫定王座に就いている。3月19日にV1を達成した王者が、地元・三次でのV2戦で世界への扉を開く。
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来月29日防衛戦 心は固まった。3月のV1達成後、「世界」という言葉を一度も口にしなかった中広が、力を込めた。
「次、勝ったらベルトを返上して世界に挑戦する考えがあります」
2度目の防衛戦がなかなかマッチメークできなかった。要因は中広の強さにあった。中広によると「いろいろオファーを出したが、断られた」と、相手側が中広には歯が立たないと対戦を拒否したのだという。拳を交える相手が不在の現状に、日本に見切りを付ける決意をした。
1カ月後の試合に向け、すでに心も体も戦闘モードだ。V1戦後に十分な休息で心をリセットした。体力面では、5月からランニングやミット打ちなどを再開。「死ぬかと思った」というほど体をいじめ抜き、スタミナを養った。
この日は地元・三次の特産物『三次ピオーネ』のPRイベントに参加。「地元できっちり勝って、世界戦へのステップとしたい」と語った。
06年5月、タイで当時のWBC世界フライ級王者、ポンサクレックに判定負けした世界初挑戦から3年が過ぎた。進化した中広が再び世界に打って出る。