材料精製工学
平成9年9月16日(松尾)
平成8年1月19日(八尾←松尾の旧姓)
問1(20点) 金属合金融体(A-B)とガス成分C2が反応して
化合物A2Cが精製する反応式:
4A(in A-B) + C2 = 2A2C ・・・・・・・(1)
の平衡定数をK1とする。A2Cの標準生成ギブスエネルギーを
ΔG0fとするとき、ΔG0fと平衡定数K1の関係を化学ポテンシャルの
式から導出せよ。ただし、平衡状態の活量には*をつけて区別せよ。
問2(25点) 右の系について相律を適用して下記の問いに答えよ。
(1)温度を決めると、化学ポテンシャルが自動的に決まる種を列挙せよ。
(2)一定温度においては、Al−Zn中のAl濃度とNaの化学ポテンシャル、
μNaの関係が1:1の関係になることを相律を用いて説明せよ。
(3)問(2)を反応式を用いて説明せよ。
(4)ClとOの化学ポテンシャル、μClとμOはどのようにして決まるか説明せよ。
問3(25点) ある試料の、時間 t = 0における相関係、酸素濃度、
酸素の化学ポテンシャルの距離Lに対する変化を右図に模式的に示した。
L = 0 における酸素の化学ポテンシャルが常にμ0で変わらないとき、
t = t1及びt2(ただし、t1<t2)における相関係、酸素濃度、酸素の化学ポテンシャル
の距離に対する変化を模式的に示し、説明を加えて、物質移動に関する
化学ポテンシャルの役割の理解度を示せ。ただし、試料は無限に長く、かつ
酸素のみが移動すると仮定する。
問4(20点) 右の図の化学ポテンシャル-組成図について答えよ。
(1)Co-Si-Oの3元系状態図を分かる限り記述しなさい。ただし、
1相、2相領域は拡大して記述し、3相領域は明示せよ。
(2)化学ポテンシャル-組成図の中に示したA、B、Cの点または線に
対応する部分を状態図中に記して説明を加えよ。
問5(10点) 右の3元系状態図について下の問に答えよ。
(1)3元系状態図を1φ、2φ(φは相数を表す)領域を誇張するとともに、
tie-lineを入れ、模式的に完成させよ。
(2)XA/XB = 1の線上におけるC成分の活量(ac)とXCの関係を模式的に
図示して、説明を加えよ。