Q:女子50M、100M平泳ぎでの世界選手権大会出場、おめでとうございます。いずれも、自慢のスピードを活かし、1位で代表権を獲得されましたね。高校時代の九州カップでも、100M、200M平泳ぎの2種目で短水路高校新記録を出されているわけですが、水泳を始めたのは何歳からですか? また、きっかけは?
野瀬:ありがとうございます。スイミングスクールに通い始めたのは2歳からです。体が弱かったので健康づくりのためです。私は4人姉妹の3番目なんですけど、姉妹全員で福岡市内のスイミングスクールに通っていました。でも、今まで続けているのは私だけなんですけどね(笑)。
Q:今まで続けてこられた理由は何ですか?
野瀬:いろんな友だちができることかな。小学校の頃にスイミングスクールで仲良くなった友だちがいたんですが、中学でバラバラになって会えなくなってしまったんですね。そうしたら、高校で同じ水泳部の部員として再会したんです。水泳を続けていてよかった!と思いました。それに、高校時代は全員が何らかのスポーツをしているクラスだったので、競技はそれぞれ違いますが、みんなが“勝つ”という同じ目標に向かって頑張っていたので、私自身もずいぶん励まされました。何においても、友だちの存在は大きいです。
Q:九州共立大学に進学した理由には、そういうことも含まれますか?
野瀬:そうですね。とにかく今は水泳しかないので、大学生活や大学の友人と過ごす時間は、何よりの気分転換になりますね。経済を専攻しているんですが、将来の役に立つことも多いかなと思って勉強してます。
Q:7月26日からローマで開催される世界選手権を控えている今、なかなか大学生活を楽しむ時間的な余裕はなさそうですね。
野瀬:そうですね。東京、セルビア、ローマと、休みなしで合宿が続きます。練習はきついですが、頑張ります!
Q:大学生活や友だちとの時間が楽しめるようになるのは、世界選手権が終わってからってことですね。まず、何をしたいですか?
野瀬:友だちとカラオケに行きたいです。EXILEと遊助が好きで、試合前に調子を上げるために聞くのはもちろんですが、自分でもカラオケで歌ったりします。あと、倖田來未も好きでよく歌いますよ。(笑)。
Q:アスリートで憧れの人はいますか?
野瀬:イチロー選手が大好きです! 全部、かっこいい!(笑) 3月にWBCが開催されていた時には、朝の練習を急いですませてテレビの前にかじりついて応援してました。スポーツ中継は何でも好きですが、世界レベルの大会はとくに興奮するし、勇気がもらえますね。
Q:世界選手権では野瀬さんも多くの人に興奮と、勇気を与える立場になるわけですよね。野瀬さんにとって水泳の魅力は何ですか?
野瀬:無になれることです。もともと水の中が好きだったみたいで、初めてプールに入った時から全然水を恐がらず、温泉気分で歌いながら泳いでたそうです。(笑)今も、泳いでいる時は嫌なことを忘れられます。
Q:大物ですねぇ。試合前でもあまり緊張はしないタイプですか?
野瀬:飛び込む前まで、ひたすらしゃべってます。(笑)逆に、しゃべらないと緊張するんですよ。でも、中には静かに集中したい人もいるので、まわりの空気を壊さない程度に一人でしゃべってます。(笑)あと、観客席に母親の姿を探してますね。母は国内の大会には必ず応援に来てくれるんですが、姿を見つけて手を振るとホッと緊張がほぐれますね。お守りみたいなものです。
Q:日々、心がけていることはありますか?
野瀬:まわりの人に感謝すること。これは野瀬家の教えでもあるんですが、今の自分があるのはまわりで支えてくれる人がいるお陰だということを忘れるなと…。実際、いいタイムが出せたら自分もうれしいけど、まわりの人に喜んでもらえるともっとうれしい!試合前に名前を呼ばれて、ウォーッと歓声が聞こえてくるとうれしくなって力がみなぎってくる感じがしてきます。私を応援してくださる機会があったら、できるだけ大きな声で声援を送ってもらえるとうれしいです。
Q:そういう気分になれたのはいつ頃からですか?
野瀬:4月の日本選手権頃からですかね。それまでは“タイムを出さなきゃ”って自分を苦しめてきた部分もあったんですが、何かがふっきれたのかな…。
今は試合会場やライバル選手などまわりを見渡せる心のゆとりもできたし、泳ぐことそのものを楽しめるようになりました。今まで水泳をやってきた中で、いちばんいい状態です。
Q:これからの目標を聞かせてください。
野瀬:やっと世界に挑戦できるスタートラインに立ったので、ここまできたら世界の強豪と闘ってトップに立ちたいですね。
Q:野瀬さんを応援しているファンにメッセージをお願いします。
野瀬:スタートから浮き上がりは誰にも負けない自信があるので、前半から積極的に飛ばしていきたいです。必ずみなさんの期待に応え、喜んでもらえるレースをしますので、応援よろしくお願いします。