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【産経抄】7月20日

2009.7.20 03:17
このニュースのトピックス産経抄

 「僕らの生まれてくるずっとずっと前にはもう アポロ11号は月に行ったっていうのに」。ロックバンド「ポルノグラフィティ」は、平成11年のデビュー曲「アポロ」でこう歌った。アームストロング船長が、月面に人類で初めての一歩を踏み出してから、もう40年になる。

 ▼昭和44(1969)年の日本といえば、大学紛争が猖獗(しょうけつ)を極め、GNP(国民総生産)が世界第2位になったことが明らかになり、都議選と総選挙で社会党が大敗した。月着陸の偉業に対する熱狂ぶりも、目立った。

 ▼NASA(米航空宇宙局)には、外国人として最大の取材団を送り込み、勤勉な仕事ぶりが話題になった。テレビの特集番組のために総動員をかけられたのは、天文学者やロケットの専門家だけではない。ある落語家には、1週間ホテルにこもり、宇宙食だけ食べ続ける企画があてがわれた。

 ▼前年に起きた3億円事件の捜査本部でも、当日の朝の話題はもっぱらアポロ11号だったそうだ。寝不足で仕事にならない、とぼやく捜査官がいれば、家でテレビにかじりついている人が多いはずだから聞き込みがしやすい、との声もあった。北杜夫さんは、「まるで日本が月ロケットを打ち上げるがごとき騒ぎ」について、「よかれあしかれ、そこにはなんらかのエネルギーがあるのだろう」と書いている。

 ▼「40年後には、月に建設したホテルでコニャックを傾けることができる」。当時の小紙に載った、東大宇宙航空研究所の教授による予想だ。地球からロケットで十数分の発着所から、所要時間六十数時間で月に向かう旅行が可能になるという。

 ▼予想の当たらなかったことが、寂しいというより、大きな夢を当たり前のように語っていた時代が、懐かしい。

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