Hyperion
小説版 時空警察ハイペリオン

 わたし…冬木玲菜はこの事務所の通いの家政婦でも、実のところ探偵事務所の助手などでもなく、2209年からこの時代…2009年に派遣されて来た時空刑事だ。
時空刑事っていうのは…あーっ説明するの面倒くさい。時空を守る刑事、これでいい?
わたしの時空刑事としてのコードネームはレナリー。そしてこの男、折尾光四郎は時空刑事オリオンと呼ばれている。
説明すると長くなるし、説明する義務もないから理由の説明は省くけど、「時空刑事」という職業に就いているのは、圧倒的に女子が多い。わたしが一緒に研修した同期の時空刑事たちも皆女子だ。
時空刑事の男子は稀少で、それ故に特別な存在である。わたし達は普通複数で各時代に派遣されるが、男子の時空刑事はほぼ単独で派遣される。そして派遣理由も、調査内容も、ほぼ明かされる事はない。
卓越した頭脳と、鍛え抜かれた強靭な身体、そしてそれをカヴァーし、さらに能力を引き出すS級装備のエクスターナル・スーツ。軍隊一個師団分に匹敵する戦闘力を与えられ、独自の判断で捜査、そして逮捕する権限を与えられた個人。それが彼らだ。
中でも『時空刑事オリオン』は時空刑事たちの憧れの的だ。…の筈だ。
そして、その、オリオンその人が、彼、折尾光四郎なのだ。なのだったらなのだ。
いわゆるこのオタク的属性?や異様に明るいキャラ、時折見せる奇怪な行動は、いわゆる彼の擬態なのだ。…の筈なのだ。

用語集

わたし達は研修生時代、ある大きな事件を追って単独の任務に就いていた彼と行動を共にしていた。
そして彼が追っていたある大きな事件は、彼自身に原因があったという意外な結末を迎えて幕を下ろした。
一部始終を見守る事になったわたし達は、彼の姿に時空刑事の誇り、怒り、そして悲しみ、痛み…すべてを見た。
そしてわたしは彼のひたむきなまでの「時空刑事」という仕事への想いを知り…彼を意識するようになっていった。
この冬木玲菜様が恋ですって!?
自分でも信じられないし、今だに認めたくないけど…
わたしって女の子なんだ。
なんで女の子なんだ?別に「女」としての機能なんかなくていい、いや無い方がいい!なんて思ってたのに。
わたしって女の子だったんだ。
そんな事を思い知らされてしまった相手。それが折尾光四郎だ。
光四郎は、今日の戦利品を一通り箱から出して、がちゃがちゃいじり始める。「おーっこれは新機軸」「合体後も絶妙のバランス!」などとロボットを変形させたり合体させたりする度に感歎の声を上げているが、わたしにとっては、また掃除するのに邪魔なガラクタが増えた…ようにしかやっぱり見えないけど。
徐に光四郎が聞いて来る。
「…、で、れなちゃん、さりあちゃんとは会えたのかい?」

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