UPDATE3: 米ゴールドマンの第2四半期は大幅増益、トレーディング収入が寄与

2009年 07月 15日 10:29 JST
 
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 *トレーディング収入が約2倍に増加。

 *66億5000万ドルを報酬向けに割り当て。

 *TARPの返済について4億2600万ドルの費用計上。

 *CFOは第2・四半期業績が持続可能かどうかはわからないと表明。

 *債券・為替・商品部門収入は過去最大

 *株価は上昇して終了。

 [ニューヨーク 14日 ロイター] 米ゴールドマン・サックス・グループ(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)が14日に発表した2009年第2・四半期(4―6月)決算は、33%の増益となった。トレーディング収入の大幅増が寄与して市場予想を大幅に上回った。収入は138億ドルだった。

 一方給与やボーナスなど向けに66億5000万ドルを割り当て、高額報酬システムが復活する兆しを見せている。

 このペースでいくと、今年の従業員の平均報酬は90万ドルを上回る。ブランクファイン最高経営責任者(CEO)や幹部、優秀なトレーダーは数千万ドルを受け取る公算が大きい。 

 普通株主帰属分の純利益は27億ドル(1株当たり4.93ドル)。前年3―5月期は20億5000万ドル(同4.58ドル)だった。同社は銀行持ち株会社への移行に伴い、決算期が変更された。

 ロイター・エスティメーツがまとめたアナリスト予想の平均は1株利益が3.49ドルだった。

 14日の同社株価は22セント高の149.66ドルで終了。同社株は年初から約80%上昇している。

 同社によると、第2・四半期はトレーディング収入が前年比で2倍近くに拡大し107億8000万ドルとなったほか、株式の引き受け業務による収入も過去最高の7億3600万ドルに大幅増加した。激しい価格の変動や需要の強さ、競合相手が減ったことに支えられた。

 ビニア最高財務責任者(CFO)は「競争は少なくなった」と発言。その後のロイターのインタビューでは、このペースを年間で維持できるかどうかはわからないと述べた。

 

 <危機はまだ終わらず>

 

 投資銀行部門の収入は14億4000万ドルで、前年比15%減少。ただ、第1・四半期からは75%増加した。

 同社は政府とのつながりが批判の対象となっている。100億ドルの公的資金投入を受けたほか、連銀貸し出しなどでも恩恵を受け、深刻なリセッションを切り抜けたとされている。

 第2・四半期では不良資産救済プログラム(TARP)による公的資金投入の返済に絡み、4億2600万ドルの費用を計上した。ビニアCFOによると、TARP下で政府に発行したワラントの買い戻しについては、予定は立っていない。

 同CFOは投資家との電話会議で、政府から資本規制についての発表を待っており、多額の資本を積み上げていると発言。新たな資本規制が事業に悪影響を及ぼすとは思っていないが、様子見を維持しているという。

 <債券・為替・商品部門収入は過去最大>

 第2・四半期は商品取引に伴うリスクが前年に比べ低下したものの、債券・為替・商品部門(FICC)の収入は過去最大の68億ドルとなり、総収入が138億ドルとなった同四半期決算の過去最高益計上に寄与した。

 買い手がエネルギー、金属、農業市場に戻ってきたことを背景に、商品取引は同社にとって大きな収益源となった。商品市況は年初軟調だったが、急反発している。

 ブランクファインCEOは「第2・四半期決算は、金融市場の改善と多様なクライアント・フランチャイズが寄与した」と述べた。

 ゴールドマンのトレーディングリスクを示す指標とされるバリュー・アット・リスク(VaR)は第2・四半期に4000万ドルとなり、前期と変わらずだったが、前年同期の4800万ドルからは小幅低下した。

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