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民主、来年度から「公立高無償化」 学費分12万円支給

2009年7月20日

 民主党は、総選挙で政権交代が実現した場合、来年度からすべての国公立高校生の保護者に授業料相当額として年間12万円を支給し、事実上無償化する方針を固めた。私立高生の保護者にも同額を支給し、年収500万円以下なら倍の24万円程度とする。高校進学率が98%まで達する中、学費を公的に負担すべきだと判断したといい、マニフェスト(政権公約)に盛り込む考えだ。

 民主党はかねて高校無償化を主張していたが、不況が深刻になり、高校進学を断念したり、入ったものの中退したりする生徒が増える中、具体案を詰めて優先課題に位置づけた。多くの企業が業績を落とし、収入が減って不安が広がっており、所得制限をかけず支給するよう判断したという。15日の「次の内閣」の会合でも衆院選の主要政策とすることを確認した。

 実現には年間約4500億円の追加予算が必要と試算しており、国の事業の無駄を洗い出し、不要と判断したものを廃止・縮小することで財源の確保は可能としている。

 ただし、同党は一方で、高速道路無料化、ガソリン税などの暫定税率撤廃といった「目玉政策」も来年度から実施する方針だ。これらに7兆円程度を見込んでおり、全体の予算編成の中で本当に財源が確保できるか、現段階では不透明だ。

 他にも、中学生までの子どもがいる家庭に対し、月2万6千円の「子ども手当」を支給する方針で、政権公約では来年度に半額支給からスタートさせるとしているが、その財源確保策として配偶者控除を廃止するため、妻が専業主婦で子どものいない65歳未満の世帯は負担増となる。

 親の年収が400万円以下の学生に生活費相当額の奨学金を貸すなどの奨学金拡充、幼稚園や保育園の無償化推進なども検討しているが、教育・子育て支援は一方で子どものいない世帯の負担増にもつながり、議論になりそうだ。

 同党は他にも、マニフェストの母体となる09年版の党政策集に盛り込む教育政策を固めている。教員の質を高めるため大学の教員養成課程を医歯薬系並みの6年制とし、教育実習を1年間に大幅延長する▽学校の風通しをよくするため保護者や住民らが参加する「学校理事会制度」を創設する――などとしておりマニフェストへ盛り込むことを検討している。(青池学)

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