上田清司知事は1日の県議会で、08年度の県立学校の卒業式で国歌斉唱時に起立しなかった教員について「式典のルールに従って模範を示さなければならない」とした上で、「日本の国旗が嫌いだとか、国歌が嫌いだというような教員はやめるしかないんじゃないか」と批判。議場は賛同する声や抗議する議員のやじに包まれた。
吉田芳朝県議(民主党・無所属の会)の「起立しなかった校名を明らかにすべきだ。解決への所見を伺う」との一般質問に答えた。
県によると、県立学校の08年度の卒業式で国旗掲揚時に起立しなかった教員がいるのは10校。起立しなかった教員数は把握しておらず、処分を受けた教員はいないという。
上田知事は議会後の取材に「卒業式にダメージを与えてしまう。(国旗掲揚、国歌斉唱に)耐えられないならやめればいいと素直に言ってみた」と話した。
埼玉県高等学校教職員組合の関根達男書記長は「思想信条の押し付けと取られかねない。好き嫌いの問題ではない。不適当であり、撤回すべきだ」と話している。【岸本悠】
毎日新聞 2009年7月2日 地方版