韓国が変わった?
1000万人が見た韓国最新映画
4月21日 放送

人口4800万人の韓国で1000万人以上の観客を動員した2本の映画が話題となっている。

朝鮮戦争に翻弄された兄弟の愛を描いた『ブラザーフッド』。
南北の善悪で描くのではなく、戦争そのものに疑問を投げかけた内容に人々は衝撃を受けた。

ブラザーフッドの二ヶ月前に公開された「SILMIDO/シルミド」。
韓国の特殊部隊が北朝鮮の金日成暗殺を企てた事実をもとに映画化したもの。韓国が善人で北朝鮮が悪者という韓国映画不変のスタイルを撃ち破り、大ヒットした。
「SILMIDO/シルミド」の監督、カン・ウソク(43)は「昔はこんな映画を作るなんて想像もできなかった」と語る。

では、これまで韓国の人たちが見てきた映画とは?
報道ステーションの韓国人ディレクター、チョン・ヨンスン(35)
は日本で暮らして11年。母国の変容に驚きを隠せないでいる。

彼が子供の頃大ヒットいた『トリ将軍』(1978年製作)は、北朝鮮の兵士が人々を痛みつけるオオカミとして登場し、最高指導者だった金日成は、悪魔のような姿で描かれている韓国初の反共産主義アニメだった。

韓国ではわずか十数年前まで徹底した反共産主義、反北朝鮮教育が行われていた。
1968年、共産党は嫌だと叫んで、北朝鮮ゲリラに殺されたとされるイ・スンボク少年は反共産主義の英雄。記念館が作られ、少年の話は教科書にも載っていた。
しかし今、反共・反北朝鮮教育は、南北統一をテーマにした授業になっている。

韓国の北朝鮮に対するイメージは明らかに変容している。

反北朝鮮アニメ『トリ将軍』の監督キム・チョンギ(63)は
「今は50年も経ったので、敵対意識はだいぶ薄れてきました。
だけど最近の若い世代をみると、北朝鮮に対する幻想と期待が多くて心配になることがあります」

ブラザーフッド
 
実尾島(シルミド)


 
 

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