憲法9条を通じて平和を訴える県内の市民グループ「憲法9条ファンクラブ」(長谷川了一事務局長、620人)の結成5周年を記念した憲法学習講演会が18日、富山市新総曲輪の県民会館で開かれた。渡辺治・一橋大大学院教授(政治学)が「改憲の動向と私たちの運動の方向」の演題で講演し、約110人が参加した。【青山郁子】
同クラブは、日本が戦争をしないよう、9条の一切の変更に反対するのが目的。毎月のニュースレターは現在61号まで発行している。
1990年代以降の日本社会などについて研究している渡辺教授は、今なぜ改憲の動きが台頭したのか、そして次期衆院選で予想される政権交代で改憲の動きがどうなるのか、などについて政治の流れとともに分かりやすく解説。特に海上自衛隊をソマリア沖に派遣する海賊対処法について「海外で武力行使するための恒久的な法律だ」と危険性を指摘した。
そして平和を守るために「政治から目を背けてはならない」と訴え、「憲法9条はボロボロに穴が開いているが死んではいない。戦後64年間軍隊が1人も人を殺していないのは9条があるからで、今後も市民の手で改悪を阻止しなければならない」と呼びかけ、同クラブの活動にエールを送った。
毎日新聞 2009年7月19日 地方版