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朝青キレなし…“因縁”稀勢に逆転1敗

朝青龍を突き落としで降す稀勢の里(左)
朝青龍を突き落としで降す稀勢の里(左)
Photo By スポニチ

 横綱・朝青龍(28=高砂部屋)に土がついた。大相撲名古屋場所8日目は19日、愛知県体育館で行われ、朝青龍は立ち合いで左を差し込んで有利な体勢を築きながら、土俵際で関脇・稀勢の里(23=鳴戸部屋)の突き落としに前のめりになり痛恨の敗戦。史上2位タイとなる通算22度目のストレート給金を逃した。中日までに敗戦を喫したのは横綱昇進後18回あるが、うち優勝したのは6回。取組後もビール話に花を咲かせるなど緊張の糸も切れた様子で、3場所ぶりの賜杯に暗雲が垂れ込めた。

 大入りの館内に、今場所初めて座布団が乱舞した。因縁の相手、稀勢の里にまさかの逆転負け。騒然とする花道を鬼の形相で引き揚げた朝青龍は両腕を腰にやったまま、小声で「クソッ」。このまま激怒モードに突入するかと思われた。だが、風呂場ですべてを洗い流したかのように、支度部屋に戻った朝青龍は冗舌だった。

 大銀杏(いちょう)を結っている間も「勝てそうだと読んだけど。(突き落としを)食っちゃったよ。勝負に負けた」と淡々と分析。さらには、報道陣をからかう余裕も見せながら「もったいないな。おいしいビールが飲めないね。はははは」と緊張感のない笑いを連発した。中日にして既に優勝をあきらめたのか、肩を落とす姿には哀愁すら漂っている。夏バテを告白した記者にも「がんばれや、ビール飲もうよ」と語るなど、すっかりお気楽モードだった。

 稀勢の里には場所前の出稽古で上手投げでたたきつけられた屈辱を受けたばかり。その雪辱を期して、土俵上では鋭い視線でにらみつけた。だが、慢性的な稽古不足。気持ちと体が伴わない悪循環を呼んだ。立ち合いでは素早く左を差したが、相手の厳しい攻めで体が浮き上がり一転して窮地。勝負とばかり前に出るが、相手は待ってましたと突き落としで反撃。下半身が安定しない朝青龍はばったりと前に落ちた。終始笑顔だった横綱も、「稀勢の里は強くなったのか」と問われると表情を一変。「そんなことないよ。攻めてこないんだもん」と、この時ばかりは強がりを見せた。

 場所前にタミル夫人との離婚を公表。相撲に集中できる環境を整えて3場所ぶりの賜杯を目指したが、白鵬らに1差をつけられて折り返すことになった。テーピングでぐるぐる巻きにしている左ひじも悩みの種だが、帰り際には右肩の不安を訴えた。この日ももろ差し狙いで右差しにいったが、肩に力が入らず相手の攻めで上体を起こされる“右肩上がり”状態になり、敗戦につながった。

 横綱昇進後中日までに敗れた場所は18回あるが、うち逆転Vはわずかに6回。「もう終わったこと。しようがない」。前向きな言葉を必死に絞り出す姿が痛々しく感じた。 星取表(番付表)  大相撲優勝額

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