速報記事一覧 紙面記事一覧 虎王国 | |||
HOME > 五輪 > 名場面 |
|
美姫2度目の五輪で荒川さんに続きます(2月23日)ジャンプに失敗して転倒する安藤美姫=パラベラ競技場(代表撮影) 女子フリーで荒川静香(24)=プリンスホテル=は合計191・34点で金メダル。ショートプログラム(SP)は3位だったが、フリートップの125・32点で逆転した。SP4位の村主章枝(25)=avex=はフリーで113・48点を出し、合計175・23点で4位。同8位の安藤美姫(18)=中京大中京高=は初の五輪で4回転サルコーに失敗し、140・20点で15位だったが、2010年バンクーバー五輪で雪辱を期す。2位は183・36点でSP1位のサーシャ・コーエン(21)=米国=。昨年の世界選手権を制したイリーナ・スルツカヤ(27)=ロシア=は181・44点で3位だった。 「しーちゃん」と姉のように慕う荒川を祝福するため、競技が終了して抱き合った時にバトンは渡された。安藤が「長野五輪で夢を与えてもらった」と話す新女王に、今度はトリノの同じ舞台で新たな夢を授けられた。 世界でただ1人、公式試合で成功させている4回転ジャンプを、大舞台で決めることはできなかった。結果は15位。それでも「スッキリしました」と、みんなに愛される“ミキティ・スマイル”で締めくくった。 「重圧」というじゅ縛は、最後まで解けなかった。最初の4回転サルコーは、回転不足で大きく尻もち。3つのコンビネーションジャンプもことごとく失敗した。「4回転をやって力尽きた。(4回転は)下りられると思ったけど甘かった。これが五輪の怖さ」と現実の厳しさを知った。 「本当のことを言うと、小指は完治していません」。昨年12月に骨折した右足小指には痛みが残っていた。通常、1日に3、4度が限界の4回転練習だが、前日22日の公式練習では成功するまで8度挑戦。フリー当日の朝は6度跳んだが、1度も成功しなかった。痛み止めの薬を飲みながらの練習で、着氷する右足は悲鳴を上げていた。 演技前、ネックレスにしている亡き父、幹高さんの指輪にキスをした。8歳で父を亡くし、母が働きに出る中、安藤の食事や身の回りの世話をしてくれたのが祖母、山中盟子さん(64)。その盟子さんは昨春、脳梗塞(こうそく)に倒れた。夏に練習拠点を米国へ移した安藤は、寂しさと祖母への心配から、月数十万円もかかるほど自宅へ電話を入れた。世間に疲れ果てて渡った米国で、心は家族への思いが占めていた。 「荒川さんが、2度目の五輪は全く違うと言っていた。ちょっと味わってみたいかな?」。21歳か22歳で結婚して子供を産みたい、と話していた18歳が、SP後に聞いた“姉”の言葉で心を決めた。「メダルを取るにはもっと経験を積み重ね、つらい思いをしないといけない」。無我夢中で走り続けたトリノへの道。家族の元で羽を休め、またバンクーバーへ向かう。
|
野球| 虎王国| 米スポーツ| サッカー| リング| ゴルフ| スポーツ| 競馬| 芸能社会| 釣り(東) (西) | ||
|