最終更新: 2009/07/19 13:07

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北海道・大雪山系遭難事故 ツアー企画の旅行会社社長「会社を挙げ対応させていただく」

北海道・大雪山系で起きた遭難事故で、ツアーを企画したアミューズトラベルの社長が17日午後、会見を行った。
ツアーを企画したアミューズトラベルの松下政市社長は、17日午後2時ごろ、「誠心誠意、お亡くなりになられていますので、わたしたち会社を挙げてですね、皆さん家族の方に対応させていただきたいと思っています」と語った。
亡くなった竹内 多美子さんの息子は「まさか死ぬということまでは考えていなかった。無事に戻ってこられたらいいかなと。これが事実じゃなければ...」と話した。
亡くなった川角夏江さんの兄は「死んだと聞いた時には、非常にショックだったね。『(年齢的に)最後だから、ちょっと遠くに行きたい』と言って、行ったらしいです」と話した。
北海道・十勝の大雪山系で相次いで起きた遭難事故は、あわせて10人が死亡する惨事となった。
10人のうち、9人が死亡した標高2,141メートルのトムラウシ山。
白い雪が残るものの、初夏を迎え、緑の草木が生い茂るトムラウシ山が突然、登山者に牙をむいた。
無事下山した登山者(65)は「10人帰ったの。ところが10人バタバタ倒れていった。カッパなんかビリビリ破れたしね。最後、避難しないと死んじゃうぞ。こんなところで死んじゃうの嫌だぞって。わたしも死にそうだった」と語った。
ツアー参加者を襲ったのは、強風と寒さだった。
東京の旅行会社「アミューズトラベル」が企画した北海道・大雪山系をめぐる4泊5日の登山ツアーには、15人の参加者に3人のガイドが同行していた。
アミューズトラベルの松下社長は「(スケジュールには無理がなかった?)わたしたちのツアーでは今回、やや健脚っていう言い方をしているんですね。初めての方ってのは、一切お断りしてまして、このツアーについては、70歳未満という年齢制限を設けてまして、お客さまの数も15名限定ということで」と語った。
入山初日に旭岳を目指し、3日間をかけてトムラウシ山に向かうという日程。
しかし、入山3日目の16日について、無事下山した登山者は「(ガイドは)様子を見て午前5時半に(ヒサゴ沼避難小屋を)出発すると言った。風があるし、雨が降っている。あんなもん中止だよ。(前日に)ヒサゴ沼避難小屋に泊まったんだけど、中止じゃないの。あんな駄目だよ、強行しちゃ」と語った。
帯広測候所の吉田正博技術専門官は「1,500メートルから2,000メートル付近で見ると、20〜25m/sの風を観測しています。非常に強い風になりますので、普通には立っていられない状況が考えられます」と語った。
16日午後4時ごろ、「山頂付近でツアー客など10数人が動けなくなった」との救助要請があった。
男女10人が、自力で下山するなどしたものの、ベテランガイドの吉川 寛さん(61)、愛知・名古屋市から参加していた味田久子さん(62)、川角夏江さん(68)、木村 隆さん(66)ら、あわせて8人が犠牲になった。
亡くなった竹内 多美子さんの息子は「かなり(登山には)行っていました。月に2〜3回くらいは。どういう状態か知りたいし、旅行会社に憤りを感じる」と語った。
警察は17日、ツアーを企画したアミューズトラベル側に事情聴取を行った。
アミューズトラベルの松下社長は「(中止の判断は?)もちろん現場になります。(現場にいる方は判断できる方?)もちろんです。(ベテラン?)はい」と語った。
さらに、トムラウシ山では、別の単独登山者1人が死亡、およそ15km離れた美瑛岳でも男女6人が遭難し、うち女性1人が死亡した。

(07/17 20:09 北海道文化放送)


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