日本語で読めるインドニュース 『インド新聞』

03/31/2009 01:46 AM

 日本外務省は27日、ODA国別データブック2008を発表した。

(1)インドに対するODAの意義
 インドは急速な経済成長や活発な外交活動を通じて国際社会における存在感を高めつつあるとともに、南アジアで大きな影響力をもっている。日本としても、経済協力を通じてインドとの間に安定した二国間関係を築き、インドの持続的発展を確保することは、南アジア地域の平和と安定、さらには、日本を含むアジアの平和と安定にとって重要だ。また、インドは日本のシーレーンの安全確保にとっても重要な位置を占めている。これらを踏まえ、2000年8月、日本とインドは「日印グローバル・パートナーシップ」の構築に合意し、05年4月、小泉総理(当時)が訪印し、日印の協力関係に新たな戦略的方向性を与える「8項目の取組」を決定している。

 近年、インドは順調な経済成長を続けており、外国投資の規制緩和、国内経済の自由化を積極的に進めている。購買力を有する3億人とも言われる中間層の存在は、今後の有望な投資先・市場としての潜在性を有しており、この点でも、二国間関係緊密化の必要性は高い。また、インドは、人口の約3割を貧困層が占めており、貧困削減はMDGs(ミレニアム目標)を達成する上でも重要だ。

(2)インドに対するODAの基本方針
 インドに対する援助の戦略性をより一層高め、政府も一体性と一貫性を持って効果的・効率的な援助を実施する。現地ODAタスクフォースにおける議論やインド側との政策対話を踏まえ、06年5月、日本は「対インド国別援助計画」を策定した。同援助計画は、(1)経済成長の促進、(2)貧困・環境問題の改善、(3)人材育成・人的交流の拡充のための支援、の3点を重点目標としている。

(3)重点目標
 経済成長の促進、電力セクターへの支援、運輸セクターへの支援、インフラ整備支援を通じた付加価値の向上

インドに対する07年度ODA実績
(1)総論
 07年度のインドに対する円借款は2,251億3千万円、無償資金協力は3億9,700万円(以上、交換公文ベース)、技術協力は12億3,100万円(JICA経費実績ベース)だった。07 年度までの援助実績は、円借款2 兆9,461億3,600万円、無償資金協力876億8,700万円(以上、交換公文ベース)、技術協力263億1,700万円(JICA経費実績ベース)。

 ちなみに、03年度約1,250億円、04年度約1,345億円、05年度約1,555億円、06年度約1,849億円、07年度約2,251億円、そして08年度約2,360億円と推移している。
 
(2)円借款
 円借款は、58年に我が国最初の円借款をインドに供与して以来、インドに対する経済協力の中心となっている。円借款を通じた支援は、投資環境の整備、貧困削減への貢献、環境問題への対処に重点を置いている。インドは、03年度以来、5年連続で日本円借款の最大受取国となっている。

(3)無償資金協力
 無償資金協力によるインドへの支援は、規模は大きくはないものの、これまで保健等の分野に対する一般プロジェクト無償資金協力等を実施してきているほか、草の根・人間の安全保障無償資金協力等を実施してきた。

 07年度は、「インドにおけるポリオ撲滅計画(供与限度額2億1,200万円)」のほか、草の根・人間の安全保障無償資金協力(24件、計1億8千万円)等を実施した。

(4)技術協力
 インドは、自ら近隣諸国等へ技術協力を行うなど、技術水準は高い分野もあるため、日本のインドへの技術協力の実績は多くなかったが、近年、円借款との連携で、開発調査や専門家派遣等の技術協力への要請が高まりつつある。例えば、06年度から07年度にかけて「インド幹線貨物鉄道輸送力強化計画」の開発調査が円借款との連携を念頭に実施された。06年に再開された青年海外協力隊(JOCV)については、07年度7人の隊員が派遣された。

 なお、インド政府は援助受入れ国・機関を限定しており、03年6月に対外援助受入れ政策を発表した中では、今後の援助は国際機関を除き、日本、ドイツ、米国、英国、EU、ロシアの6カ国に限って受け入れるとし、その後、04年5月の政権交代後には、これら対象をG8、EUおよび年間2,500 万ドル以上の支援を行うG8 以外のEU加盟国へと変更している。

 このように、インドは、自助努力(オーナーシップ)の考え方が確立している国で、ドナーによる援助協調の姿勢にあまり積極的ではなく、このようなインド側の姿勢を反映して、一般的に、ドナー間の援助協調が必ずしも十分行われている状況にはない。しかし日本は、相互補完関係の強化による効果的援助実施のために、他ドナーとも援助協調を進めてきている。

 例えば、10年以上にわたりユニセフを経由し米国等と連携したポリオワクチンの無償供与を実施している。最近では、バンガロール上下水道事業やバンガロール配電網設備高度化事業(ともに円借款)等の水分野およびエネルギー分野で日米の援助協調を実施し、マディヤプラデシュ(MP)州でリプロダクティブヘルス支援(技術協力プロジェクト)を世銀・英国と連携して進めている。

03/30/2009


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