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後継者問題:「張成沢氏による権力闘争も」

国家情報院が国会に報告

 韓国の情報機関である国家情報院はこのほど、「今後北朝鮮の権力が金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男、正雲(ジョンウン)氏に継承され、金総書記に何らかの事態が発生した場合、現在金総書記に次ぐ権力者とされる張成沢(チャン・ソンテク)朝鮮労働党行政部長兼国防委員が先頭に立ち、権力闘争を繰り広げる可能性が濃厚だ」と国会に報告した。

 同院は国会に提出した資料の中で、「現時点では金総書記の後継の構図は、正雲氏への3代世襲が確実とみられる。しかし、正雲氏が権力を継承したとしても、金総書記の健康状態や北朝鮮体制の政治・経済的不安要因を考慮すると、脆弱(ぜいじゃく)な権力構図になることが予想される」と説明している。同院は3代世襲以降に権力闘争が起きる可能性について、「金総書記の死後、張成沢氏と彼の支持勢力が権力獲得を試みた場合、後継者(金正雲氏)の支持勢力との間で権力闘争が繰り広げられる可能性が濃厚だ」と予測した。金総書記の義弟であり、正雲氏の叔父に当たる張成沢氏は、現在正雲氏への権力継承作業に助力しているが、過去には金総書記の長男である正男(ジョンナム)氏を後継者として支持した人物として知られる。

 同院は「後継者の立場が固まらない状況で金総書記が突然死亡すれば、“軍・党集団指導体制”が登場する可能性もある」という見通しも同時に提起した。

 国家情報院は張成沢氏の夫人で金総書記の妹である金敬姫(キム・ギョンヒ)氏も、正雲氏の「後見人」として注目している。同院によると、金敬姫氏は労働党軽工業部長だった2003年9月以降、公の活動を中断、その後うつ病とアルコール依存症の治療を受けてきたという。「金敬姫氏は今年6月7日に“党部長”という肩書で公の活動を再開、正雲氏の後見人の役割を担っている」というのが同院の説明だ。

 同院は正雲氏が公式に後継者となる時点については、北朝鮮が「強盛大国建設実現」の年に設定した2012年になると見通した。「正雲氏は政治的な実務の経歴が浅く、内外の条件が悪い点を考慮すると、公式の発表には一定の時間がかかる」というわけだ。しかし、同院は「金総書記の健康が急激に悪化すれば、短期間で実現することもあり得る」と付け加えた。

崔宰赫(チェ・ジェヒョク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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