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京都での悲願の1議席獲得に向け各地で開かれている公明党府本部の時局講演会(15日、京都市左京区・京都会館) |
政権与党への風当たりが強くなる中、公明党京都府本部が比例近畿での1議席奪還に向け、活動を本格化させている。連日、千人規模の講演会を開催し、中小企業対策や子育て政策などをアピール。同時に民主党の政策批判を強め、連立を組む自民党にも一定の距離をとりながら、「第三極としての存在感」を発揮しようと組織を挙げて動きだした。
■連日 大規模集会
「今こそ公明の庶民の政治が必要だ。逆風であっても正義は勝つ」。15日、左京区で開かれた講演会で、比例近畿予定候補者の竹内譲元衆院議員は自信たっぷりに支持者を鼓舞した。東京都議選で自民は惨敗したが、公明は23人の全候補者が当選。この勢いを京都での比例票上積みにつなげる狙いだ。
党府本部は05年衆院選で山名靖英氏(比例近畿)が引退し、竹内氏を後継者として擁立した。しかし、「小泉旋風」で自民が圧勝。比例は得票数に応じ議席が配分される。近畿ブロックで約162万票をとり、03年衆院選より2万票以上増やしたが、結果は5議席から4議席に後退。京都の議席を守れなかった。
今回も、民主が大勝すれば議席は増えない可能性がある。府本部は民主批判を強め、15日の講演会で、日置文章幹事長が民主代表の献金疑惑を批判し、「民主に政権運営を任せられるのか」と支持者にハッパをかけた。
一方、連立を組む自民との距離感も変わりつつある。
99年の連立以降、比例だけに候補を擁立している府本部は、小選挙区では原則として自民候補を支援し、「比例は公明へ投票を」と協力を求めてきた。府内で公明が獲得した比例票は連立前の98年参院選の13万6千票から05年衆院選には15万8千票まで伸ばした。
ただ、目標の18万票には届いていない。「支援は受けるが比例の協力は難しい」という自民議員もいる。角替豊代表は「票が伸びたのは友好的な自民議員の協力もあるが、与党効果で無党派層を一定取り込めた結果でもある」と強調し、「協力関係に満足しているわけではない」。与党が惨敗した07年参院選では、連立前と同程度の14万2千票に減らした。
「(麻生降ろしのような)看板の掛け替えで政治が何とかなると思うのはやめてほしい」「定額給付金という新しい減税や景気対策としての学校耐震化は、公明が自民に飲ませてきた」。各選挙区で開催中の講演会で弁士らは自民と一線を画し、党の独自性を訴えていく姿勢をにじませている。
これまで自民への配慮から、保守系業界団体に対し府本部としての接触を控えてきたが、2月から府本部主催による各種業界団体との公式懇談会を順次スタートさせた。
自民との連立から10年。角替代表は「与党として経験も積んだ。地域に密着する公明が、大政党には果たせない政治の役割を担っていく」と選挙準備を加速させている。
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