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「アスラン・ザラだったね。今日から君の上官になる、ラウ・ル・クルーゼだ」
「はっ!宜しくお願いします、クルーゼ隊長」
尊敬と信頼に溢れた瞳を仮面の奥から見下ろしながら、クルーゼは心の中でほくそえんだ。
──上玉だな。
照明を落とした部屋に控えめなインターホンの音が響く。
「アスラン・ザラです。お呼びを受けて参りました」
「入りたまえ」
ドアが開き、アスランが入ってきた。薄暗い室内を不思議そうに見回し、奥の椅子に腰掛けた上司の姿に目を留めると訝しげな顔をした。
「隊長…?」
「此方に来なさい、さあ」
恐る恐る部屋の中央に足を踏み入れるアスランを、クルーゼは立ち上がって迎えた。
少し不安げに、それでも律儀に敬礼する彼の前まで歩を進め、頭一つ分の高さから見下ろした。
「アスラン、君に確かめたい事があってね」
「は…」
「君の私への忠誠心と、リーダーとしての素質を示して貰いたいのだよ」
手袋に覆われた指先で頬に触れるとアスランは驚いたのか半歩ほど後ずさった。
頬骨をなぞるように指を滑らせ、顎の下でぐっと引き上げて上向かせる。
見上げる翡翠の瞳に初めて恐れの色が宿ったのを認め、クルーゼは薄く笑みを浮かべた。
「恐がらなくてもいい…君は私の言うとおりにすればいいだけだ」
「ひぁ、あ…うあっ」
アスランの中に侵入を進めるにつれ、苦痛を帯びた悲鳴が零れる。
十分に慣らしてもいない蕾は張り詰めたクルーゼ自身に無理やり押し広げられてひくひくと痙攣している。
「く…もっと力を抜きたまえ、アスラン」
「痛ぁっ…ああぅ…」
じりじりと腰を進めていたクルーゼが唐突に細い腰を掴んで根元まで一気に押し込むと、乱れた紅い軍服の下で華奢な背が弓なりに仰け反った。
机に爪を立ててがくがくと膝を震わせるアスランの顔は後ろから繋がった体勢では見えないが、恐らく初めて味わう恐怖と苦痛の渦に心をぐちゃぐちゃに掻き乱されたような表情で啼いているのだろう。
この物静かで従順な優等生を言いなりに犯し、中から蹂躙し穢しているのだという背徳感に歪んだ支配欲が満たされていく。
無意識に抵抗するように締めつける内壁に従う事を教え込むように、激しく腰を突き上げて容赦なく揺さぶった。
「あ、ぁ、は…っ、やぁ……あ…!」
一際深く奥を抉った瞬間、アスランは掠れた悲鳴を上げて限界に達した。
溢れた白濁が床に淫猥な染みを描く。
咥え込まれた自身をきつく締め上げられ、クルーゼもアスランの中に欲望を解放した。
息も絶え絶えに机にしがみつくアスランを尻目に、クルーゼは手早く身支度を済ませた。
辛うじて意識を保っているだけといった様子のアスランを抱き起こし、くしゃくしゃになった軍服を軽く整えて着せ掛けてやる。
まだ焦点の定まらない瞳を覗き込み、耳元で囁いた。
「楽しませて貰ったよ、アスラン」
「……」
声も出せないのか黙ったまま荒く息を吐く彼に、クルーゼはゆっくりと言い含めるように言葉を続けた。
「忘れないでくれたまえ。君が私を拒むのは自由だが、その場合には他の誰が君の代りになるか…」
アスランの肩がびくんと震えた。
──本当に上玉だよ、パトリック。
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