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最終更新:2009年7月18日(土) 21時31分

「封鎖解除を」、白リン弾が残した傷跡

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 「人を焼き尽くす兵器」とも言われる白リン弾。イスラエル軍がこの白リン弾を使用したパレスチナ自治区ガザへの攻撃が停止状態となってから半年が経ちました。しかし、ガザの人々は今も後遺症に苦しみ続けています。

 「今も痛い、それにかゆい。もう耐えられなくなるときがあるんです」(バハ・ガバエンくん)

 ガザに住む17歳の少年です。半年前、少年はイスラエル軍が攻撃に使用した「白リン弾」の被害に遭いました。

 白リン弾は人の皮膚に触れると激しく燃焼。「人を焼き尽くす兵器」とも呼ばれ、国際法上使用が厳しく制限されていますが、イスラエル軍は人口密集地で多くの白リン弾を使用したのです。

 親戚に頼まれ工場に荷物を運び入れた瞬間、攻撃されたという少年。今も学校に行けず、絶対安静を求められています。

 「鏡を見ることが本当に苦痛なんです。外国でしっかりとした治療を受けたい。それが願いです」(バハ・ガバエンくん)

 「外国でしっかりとした治療を受けたい」。少年のこうした願いを阻んでいるのがイスラエルによる境界の「封鎖」です。攻撃後、半年たった今も封鎖は続いているのです。

 多くのけが人が運び込まれたガザ市内の病院の医師は、少年のような重傷患者のためには、「封鎖の解除は不可欠」と強調します。

 「ガザでできないことがあるんです。重傷患者はガザの外に運ばないといけない。重傷患者は100人とか200人の数ではない。イスラエルは封鎖を解かねばならないんです」(ガザの病院の医師)

 さらに封鎖はガザの復興を完全にストップさせてしまっています。ガザの街は、いまだ多くの破壊された建物がそのまま放置されています。建設資材が入ってこないからです。

 この状況について、ガザを支配する対イスラエル強硬派ハマスはどう考えているのでしょうか。イスラエル・ハマスの敵対関係の改善に有効な打開策がないとも言われる中、ハマス幹部のユセフ氏は、欧米各国の仲介に強い期待感を示しました。

 「私たちパレスチナ人は国際社会が封鎖の解除にどう取り組んでくれるかを、今待っているところだ」(ハマス幹部 アフマド・ユセフ氏)

 白リン弾で重度のやけどを負った少年。彼は言葉少なにこうつぶやきました。

 「封鎖をやめてほしい。水も食料もない。毎日、電気も止められる。『封鎖解除』を。僕の要求はそれだけです」(バハ・ガバエンくん)

 イスラエルの攻撃停止から半年たったガザ。しかし、今もなお人々は失望の中に生きています。(18日13:30)



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