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不況で急増“水筒男子” 男性3割に「専業主夫願望」? (1/2ページ)
オフィスに水筒や携帯タンブラーなどで飲み物を持参する若い男性が増えている。最近は日々の弁当や夕食作りを気負いなくこなす家事好き男性も目立ち、家事検定で三つ星を取得する達人もいるほどだ。不況と節約志向を背景に増える“家事男”について、専門家は「不透明な時代の変化を先取りした先駆者かも」と期待する。(中曽根聖子)
節約とエコ
ミツカン(愛知県)が5月に実施した「オフィスの飲料事情調査」によると、水筒などで飲料を会社に持参する人は全体の44%に上り、特に20代男性ではほぼ半数。その割合は1年前に比べて約4倍と、“水筒男子”が急増していることが分かった。「節約」や「ゴミ減量」などの理由に加え、「夏でも温かい物を飲みたい」「できるだけ体にいい物を飲みたい」といったニーズもあるようだ。
約300種類の水筒が並ぶ渋谷ロフト(東京都渋谷区)では前年同期に比べ、水筒の売り上げが約3割増の勢いが続く。弁当雑貨コーナーの担当、山田奈保子さんは「最近は会社帰りに1人で立ち寄る若い男性が目立ちます」と話す。弁当箱とセットで購入する人も多く、男性には保温保冷機能が付いた片手で飲めるタイプが人気だという。
妻子のため、マイホームを購入予定の会社員(36)は「お気に入りの紅茶や日本茶を自分で入れた方がペットボトル飲料よりおいしく飲めるし、安上がり。水筒生活はやめられません」と話す。
昨年から始まった家事検定でも男性陣の予想外の活躍が顕著だ。主催する「主婦と生活社」によると、受験者のほぼ1割は男性。家計管理や掃除など家事全般からの出題に正答率9割以上で認定される「三つ星」に輝く達人もいる。
三つ星の達人も
川崎市に住む専門学校職員、武田知之さん(29)もその一人。夕食の自炊に加え、週2、3回は弁当も持参する本格派。独身で1人暮らしの武田さんが家事に目覚めたのは昨年。健康のためにダイエットを決意してからだ。安くて栄養価の高い旬の食材を使った低カロリー料理が得意。「凝り性だからあれこれアレンジして個性を出せるのが楽しい」と、慣れた手つきで包丁を握る。