[PR]悩んでますか?:本当の自分はここにある

117 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/05(月) 20:24:00 ID:???
マユVSキラの途中で乱入してきたシンがマユの危機に記憶を取り戻して
身を挺して庇うも爆死、再びマユVSキラ

っていう凄まじくベタな展開を昔考えた事はある。
144 :117:2006/06/10(土) 12:10:00 ID:???
了解した。
一番オイシイ所だけ先に書いてしまうが、各職人の皆様、許して。

とりあえず基本設定
・マユはザフトでインパルス搭乗、デスティニーシルエット装備
・シンは連合兵(立場的にはゲン?)デスティニー搭乗
・キラは原作どおりの立ち位置でストフリ搭乗、悪役っぽいかも
・マユVS記憶操作シンの戦闘があり、シンは敗れた後
・アスカ一家を殺ったのは間違いなくキラ

145 :117:2006/06/10(土) 12:14:48 ID:???
 ――おれは、敗れたのだ。
 中破した機体の中で一人、シン・アスカは思いを巡らす。デブリに当たらないよう、
マユが小惑星の影に隠していってくれたデスティニーの中で。
 デスティニーは最強の機体であるはずだった。所詮模造品に過ぎない、マユが駆るインパルスの
デスティニーシルエットなどとは性能の桁が違う。
 それでも敗れたのは、心のチカラにもっと大きな差があったから……。

 おれは憎しみの為に戦った。敵を滅ぼす為に戦った。殺すために戦っていた。
 だが、あいつは――マユはどうだ。おれを殺そうとはしていなかった。あの偽善者、
フリーダムの奴とは違う。マユは敵であるおれを『救うために』戦いを挑んできたのだ。

『もう私の知ってるお兄ちゃんじゃないんだね。でも、この世界のどこかで生きていてくれれば
私はそれでいい……それだけでずっと幸せ。私はひとりじゃないって、思えるから――』

 おれは、こんなに強くはなれない。愛のために戦う奴は、いつだって強い。
「……さすがは、おれの妹だよな」
 連合に施された記憶操作など、マユの渾身の叫びの前にはチリに等しい物だった。
彼は最も幸福だった故郷での日々を思い出し、その記憶を噛み締め、泣いた。

 血まみれのおれだが、愛情のために戦う権利は残されているだろうか。
「デスティニー、行こうぜ。これがお前の最後の仕事だ」
 操縦桿を握りこむ。左足と右腕、左翼、頭部を失った機体がぎこちなく始動する。
「……頼む、動け。動けぇーッ!」
 片一方になった光の翼が、開いた。デスティニーは悲鳴を上げるハイブリッドエンジンの
最後の力を振り絞り、妹と宿敵の待つ戦場へ飛び立つ。

 ストライクフリーダム。何と恐るべきモビルスーツなのか。
 インパルスはデスティニーシルエットによって辛うじて善戦している。フォースでも
ソードでもブラストでも、『彼』が相手では勝負にならなかっただろう。
 圧倒的な火力はマユに反撃の隙を与えず、格闘戦でも舞うような二刀流に対応できない。
悔しいがパイロットとしての腕でも、あちらの方が上だ。

146 :117:2006/06/10(土) 12:23:12 ID:???
 だが、コイツにだけは負けられない。最高のコーディネーター、キラ・ヤマト――
「……あんたは、私の両親を殺した」
 ドラグーンの包み込むような集中砲火を不規則な機動でかわし、Gに耐えながら声を絞り出す。
「それだけじゃなく、今またあの女に従って世界を混乱させようとしてる!」
 蒼く光る地球を背に、フリーダムは悠然と翼を広げドラグーンを呼び戻した。
 しばしの静寂。向かい合う二つの“ガンダム”。

「僕はね、ラクスのやってることが正しいかどうかは解らない」

「な……なら、なんで――」
 突然の告白に、マユは怒りのあまり言葉が繋がらない。
「この二年間というもの、自分たちの戦いを正当化するためのもっともらしい口実、
いわゆる『正義』を探し続けてた。でも、僕が大嫌いだったフリーダムにもう一度
乗るきっかけになったのは、筋の通った大義名分じゃなく、ラクスを守りたいという想いだった」

「開き直るつもり!?」

「――そうだね。僕が辿り着いた結論はやっぱり、戦う動機はいつも個人的なもので、
ラクスを守るためだったら僕はテロリストと呼んでもらっても構わない……ってことかな」
 その思いの一部分は理解できる。自分だって、兄のために軍機を侵したことはあった。
 それでもこの男は、何かが根本的にズレている。守りたいと言いつつ、その実彼自身が
ラクス・クラインに依存しているだけなのではないか――?
「やっぱ、あんたって最低。真理を見つけたつもりになって、そのくせやってることは
変わらず自己正当化で、自分に酔ってる。……ホント、話すたびに失望させられるわ」
 厳しい糾弾にも崩れないキラの微笑みが、逆に恐ろしく見える。
「残念だけど……この二年でもう一つ学んだことがある。人の人格を作るのは経験と環境で、
考え方の基礎になる部分が違ってる人とは、互いに譲り合うしかないんだ。でも」
 フリーダムの手にはいつ抜刀したのか、ビームサーベルが握られている。
「君に譲るつもりは無いんだろう?」

「当然」

147 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/10(土) 12:30:39 ID:???
 インパルスも大剣を掴む。
「なら、ぶつかりあうしかない」
「どうやら、二年間を無駄に費やしたみたいね」
 二機は寸分の差もなく、敵に向かって突進した。

 一閃。振りぬく腕も見えず、フリーダムの剣が対艦刀を半ばから叩き切る。しかしそれは
マユにとって囮でしかなく、真の狙いはもう一本の剣による攻撃。既に横へ回り込んでいた
インパルスが大剣を振りかぶる。
 もう一方のサーベルで回転の勢いを乗せ、敵を切り裂こうとしたキラは、光刃が虚しく
虚空を切るまでマユの狙いに気付かなかった。
「! リーチが足りない……」

 サーベルを形成する磁場は、サーベル基部からそう遠くまで届かない。
 だが、実体剣にレーザーを通した対艦刀なら。
「――届くッ!」
 渾身の力で振りぬいた一撃。掲げたビームシールドもろともに、フリーダムの左腕を
はるか宇宙の彼方へ吹き飛ばす。
 そのまま回転し、青く輝く翼のミラージュコロイドが敵のカメラを惑わせている隙に離脱。
「どうよ、私にだって……」
 敵に一矢報いた。その高揚感が隙を生んだのかもしれない。言い終える前にインパルスは
激しく揺さぶられ、唐突にメインカメラが落ちた。
「被弾!? まだ、撃てる体勢じゃなかったはず――!」

 マユは先程の攻撃で、大剣の切先に神経の全てを集中していた。それは
攻撃力を極限まで高めていたものの、防御力を著しく削ぐ行為に他ならない。
彼女は気付かなかった。本体の死角となる左翼下部のドラグーンが一機だけ、
切り飛ばした腕の破片に紛れて飛び出していたことに。

 サブカメラに切り替えるまでの間に、また衝撃。今度は一本残った対艦刀が破壊されている。
そして敵は、完全に体制を取り戻していた。

148 :117:2006/06/10(土) 12:38:46 ID:???
「許せ、ラクスを守るためだ――」
 カリドゥス改 複列位相ビーム砲に光が集まる。

 殺られる……!

 そう思った瞬間に、赤い光がモニターを覆い尽くす。
「なに? この光……デスティニー?」
 フリーダムが放ったカリドゥスを、左手一本のパルマ・フィオキーナで相殺している。
その負荷に耐え切れず、まもなく左腕が爆砕した。そう、それは確かにデスティニーだった。
「お兄ちゃんっ!? なんでここに――なんで、私を――」
「マユ、おれは全部思い出したよ」
 連合の生体兵器ではない、シン・アスカという人間の声がそこにあった。
「さんざん酷いことして、ごめん。友達を殺して、ごめん。お前のことを思い出せなくて、ごめん。
謝っても許されないことだって解ってるけど、とにかく……すまなかった」
「もういいっ! もういいから、離脱して! 逃げて!」
 いまのキラ・ヤマトは、シンを殺してしまうだろう。
 フリーダムの翼が弾ける。ドラグーンがピタリと配置につき、デスティニーを包囲する――
「……マユ、お前の強さは敵を憎んでちゃ出せないよ。誰かのために、誰かを守るために戦うとき、
自分のために戦うときよりずっと……強くなれるんだ」
「わかった! わかったから、早く――」
 マユの必死の叫びを遮り、シンの静かな声が通信機越しに流れ出た。
「……だから、ヤツを憎んでちゃお前は勝てない。忘れるな、お前にはまだ……」
 ドラグーンの砲口が輝くさまが、まるでスローモーションのように見えた。
それなのに、マユは指一本動かせない。
「……帰れる場所がある。帰りを待ってる人がいる」
 放たれたビームさえ、残酷なほどのろかった。デスティニーには、コアスプレンダーのような
脱出機構がない。たとえあったとしても、彼は……。

 8つの火線が一点に集束した。
 上下左右から撃ち抜かれ、火を噴いて弾け飛んでいくデスティニー。無事であるはずのない
コックピットから最後に聞こえてきた兄の声は、不思議なほど穏やかだった。

「――人生の最後の瞬間に、お前のお兄ちゃんでいられて、良かった」

 ハイブリッドエンジンが爆発し、砕け散るデスティニーは巨大な火球へと転じた。

 少女は兄の言葉を反芻する余裕も無く、目の前で散った命の残光を眺めている。
「う……う、あぁ――」
 彼女は二度、家族を亡くした。一度目は二年前のオノゴロ、二度目はたった今。
たった今、この世界に残った最後の肉親がいなくなった。
 ――それらは全て、一人の男によって引き起こされた死。その男は、目の前にいる。

「……無理だよ、お兄ちゃん。こんな――」
 死んだように動かなくなっていたインパルスの翼に光が甦る。そして、マユの脳裏で
何かが音を立て、弾けた。
「――こんなことをされて敵を憎まない人なんて、いるはずがないッ!」

149 :117:2006/06/10(土) 12:44:56 ID:???
( ´・ω・`)
やあ。
ごめんね、ここまでしか考えてなかったから前代未聞の中途半端短編なんだ。
インパDシルエットの翼が青かったりっていうのはうろ覚えだから
オリジナル設定になってるかもしれない。
それでも上の文章で頭の中に何かを思い浮かべてくれれば幸いだと思う。

……キラ好きな人、かなりスマンカッタorz

150 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/10(土) 13:17:15 ID:???
>>117
シン 「マユ、忘れないで。憎しみだけで戦わないで。それではラクシズは止められないぞ」
マユ 「お兄ちゃん」
シン 「悲しまないで、マユ。俺は孤独じゃなかったよ、いつでも。最後にはお前にも会えた。ありがとう」
アスラン 「キラ急げ!回想シーンが終わった時、あのインパルスがバーサーカーになって襲ってきたらどうするのだ!」
キラ 「それが、SEEDなるものだというのだな」

マユ 「ううっ・・・くっ・・・」

[PR]無料デコメはデコガチャ:使い放題だよ♪