オッショイ!九州

政治・経済

文字サイズ変更
はてなブックマークに登録
Yahoo!ブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷

そのまんま宮崎:/中 東国原知事、出馬断念 “東奔政争”自画自賛

 ◇「地方分権が前進」

 自民からの衆院選出馬断念を正式に決めた宮崎県の東国原英夫知事は16日、県庁で約35分間にわたって会見した。おわびや釈明の言葉を並べ、今回の行動が宮崎のためだったと強調したが、開き直りや強弁とも取れる言葉もあり、国政転身を巡って揺れ続けた知事の心理をうかがわせた。自信満々の出馬条件の提示から3週間余り。自民党内や世論の思わぬ反発を招いた「そのまんま劇場」は、多くの県民に後味の悪さを残して終幕を迎えた。【石田宗久、高橋克哉、種市房子】

 ◇「県民へおわび」冒頭のみ

 「県民にご迷惑をおかけしたことを心からおわび申し上げたい」。16日午後4時から開かれた緊急会見で、東国原知事は冒頭の約9分間を説明に費やした。「地方分権を実行しなければいけないという信念に基づく行動だった」と、県民に理解を求めた。しかし一方では「これまで掛け声倒れに終わっていた地方分権が、三歩も四歩も進んだ」と、“成果”を強調することも忘れなかった。

 開き直りとも取れる発言に、記者が「県民には不信感が生まれている」と指摘したが「宮崎の存在価値、立ち位置をきちんとするために行動した」と反論。「なかなか発言の真意を伝えてくれない」などと、マスコミへの恨み節も飛び出した。

 知事の国政転身騒動は6月23日、自民党の古賀誠・選対委員長の出馬要請で始まった。自民の選挙対策を取り仕切る責任者自らの出馬要請に、知事の発言は日増しに自信にあふれるようになったが、静岡県知事選と東京都議選の相次ぐ敗北を受け、東国原劇場の「株価」は暴落した。

 自民党本部では、この日も「反麻生グループ」と党執行部との間で、両院議員総会を巡る綱引きが続いた。今回の擁立劇のもう1人の主役、古賀委員長は記者団に「国政への出馬環境が整わないのであれば、引き分けにしましょう」と完全に白旗を揚げた。

 ◇県民「もう信用しない」

 国政転身騒動は昨年秋に続いて2回目。自信満々だったことも災いして、知事の県政への熱意を疑う有権者も増えている。日南市の公務員男性(41)は「地方分権にかこつけて国政に移ろうなんて、真意に関係なく不見識。県民はもう知事のことを信用しない」。宮崎市の男性会社員(59)は「ビートたけしさんに諭されて態度を変えるなど、政治家としての弱さを露呈した」と語り、知事が残された1年半の任期を「ふらーっと過ごす」ことは到底できなさそうだ。

 ◇「メリット大きい」--ねぎらう橋下知事

 一方、大阪府の橋下徹知事は16日、記者団に「手法には賛否両論あるが、(地方分権に注目が集まった点では)メリットの方が大きかった。お疲れ様と声を掛けたい」とねぎらった。

 橋下知事は今年4月に宮崎県を訪れて東国原知事と会談し、地方分権をどうやって次期衆院選の争点にするか、意見交換した。その時に東国原知事から「(自民党の)ど真ん中から行って攻めていきたい」と、批判覚悟で打って出る決意を打ち明けられたという。橋下知事は「(東国原知事が自民党に提示した)条件が整わなかったから出馬しない、との判断は首尾一貫していると思う」と理解を示した。

毎日新聞 2009年7月17日 西部朝刊

政治・経済 アーカイブ一覧

 
郷土料理百選
地域体験イベント検索

おすすめ情報

注目ブランド

特集企画