東京女子医大病院で心臓手術を受けた女児の死亡事故で業務上過失致死罪に問われ無罪が確定した医師(45)が、毎日新聞医療問題取材班の書籍で名誉を傷つけられたとして、発行元の集英社と取材班の記者に200万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(柳田幸三裁判長)は15日、80万円の支払いを命じた1審判決を支持し、双方の控訴を棄却した。集英社と記者は上告を検討している。
問題になった書籍は「医療事故がとまらない」。医師の装置操作ミスが原因との記載について、判決は「02年の新聞連載時は真実と信じる相当の理由があったが、03年の書籍発行時では外部学会が否定的な見解を示していた」と判断した。
毎日新聞 2009年7月16日 東京朝刊