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【国際】

【関連】イラン混乱 継続必至 元大統領 『反ハメネイ』鮮明

2009年7月18日 朝刊

 【カイロ=内田康】イラン大統領選をめぐる混乱で、改革派ムサビ元首相を支援した保守穏健派の重鎮ラフサンジャニ元大統領は十七日の演説で、保守強硬派アハマディネジャド氏が再選を果たした選挙結果に強い疑念を示した。イラン政界きっての実力者が、再選を支持する最高指導者ハメネイ師との対決姿勢を鮮明にした形で、沈静化したかに見えた混乱がさらに長引くのは必至だ。

 ラフサンジャニ元大統領は初代最高指導者ホメイニ師の側近。最高指導者の任免権を握る「専門家会議」の議長も務める。

 この日の演説前は「ハメネイ師批判は避けるのではないか」(イラン人評論家)との予測もあった。たしかに直接的な批判はなかったものの、反ハメネイ師の姿勢を明確に打ち出した。

 元大統領は「逮捕された人々は家族のもとに帰らなくてはいけない」と拘束された改革派支持者の釈放を要求。「体制も治安組織も、法を守らなくてはいけない」と、ハメネイ師の意を受けてデモを鎮圧した革命防衛隊らを批判した。

 イランからの報道によると、アハマディネジャド大統領側は、元大統領の演説を警戒し、地元テレビ局の生中継申請を許可しなかったという。ハメネイ師に忠誠を誓う民兵組織バシジのメンバーらも演説前から街頭を警戒していたが、抗議デモを再び許す結果となった。

 アハマディネジャド大統領の二期目の正式就任となる八月上旬に向け、再び改革派による混乱が発生する可能性が高まってきた。

 

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