工作機械不正輸出で有罪判決　広島のメーカーにも罰金　東京地裁

　核兵器の開発や製造にも使われる機械を無許可で輸出したとして、外為法違反罪などに問われた工作機械メーカー「ホーコス」（広島）の元主任、美能圭輔被告（３２）に、東京地裁は１６日、懲役２年６月、執行猶予３年（求刑懲役２年６月）の判決を言い渡した。

　同社も罰金４７００万円（求刑罰金５千万円）、ほかの元社員ら３人も懲役１年６月〜１年、それぞれ執行猶予３年（求刑懲役２年〜１年６月）。

　判決理由で村山浩昭裁判官は「許可を得ると納期に遅れるため、利益を優先させ不正輸出した。大量破壊兵器を造ろうとする国に渡っていなくても問題」と指摘。その上で各被告の反省などを刑猶予の理由に挙げた。

　判決によると、４人は平成１６年１１月、輸出規制のある工作機械６台を経済産業相の許可なく韓国に輸出。美能被告ら２人は１８年９月にも１０台を中国に不正輸出した。