新型インフルエンザの感染者発生をめぐり、県が、患者の1人を公立病院の看護師と知りながら「把握していない」と虚偽の発表をしていたことが17日、分かった。患者は16日に感染が判明した7人の中の1人で、多久市立病院の女性看護師だったが、県は「多久市職員という以外は把握していない」と発表した。
16日の発表では、7人中5人を公務員が占めていたことから、記者から「住民らと接する機会の多い業務に従事した職員は含まれているのか」との質問が出た。これに対し、県健康増進課の岩瀬達雄課長は「把握できていない」と答えた。
岩瀬課長と鷲崎順危機管理・広報課長は17日に緊急会見し「事実と異なる説明で、おわび申し上げたい」と謝罪。16日に多久市側から「市職員と出さないでほしい」と要望されたといい、「勤務先公表への了解が得られなかったと勝手に解釈してしまった」(岩瀬課長)と経緯を説明した。
=2009/07/18付 西日本新聞朝刊=