2009年6月24日5時23分
民主党の衆院選マニフェストの土台となる09年版政策集の外交・安全保障分野の原案がわかった。鳩山代表の持論「東アジア共同体」を掲げてアジア重視を打ち出す一方、日米地位協定の抜本見直しやインド洋からの海上自衛隊撤収など、日米摩擦を生みそうな内容も盛り込まれている。
政権獲得後の基本方針となるが、国際情勢の認識や政策転換の具体的方法は明確ではなく、展望と戦略を問われることになりそうだ。
原案は、5月に発足した鳩山新執行部の指示をふまえて党外務防衛部門会議で作成。今後鳩山代表らによる検討を経て、月内にもマニフェストとともにまとまる見通しだ。
東アジア共同体は長期目標とし、エネルギー・通商・環境分野の協力や、金融市場の育成などを通じて実現を図る。
日米同盟については現政府と同様に「我が国の安全保障の基軸」と位置づけた。ただ、政府を対米追従と批判してきた経緯から「対等なパートナーシップ」を強調。国内での米兵犯罪の扱いなどを定めた日米地位協定の「抜本的な改定に着手」するとし、在日米軍の再編についても基地負担軽減などの観点から「不断の検証を行う」と記した。
「テロとの戦い」で対米協力の象徴である海自のインド洋での給油活動は、根拠法の期限である10年1月までに終了。アフガン本土への自衛隊派遣は「抗争停止合意の後、人道復興支援等の実施を検討する」と記すにとどめた。