現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 事件・事故
  5. 記事

遭難計10人死亡 大雪山系トムラウシ山・美瑛岳

2009年7月17日13時52分

写真:遭難場所からヘリで救助された登山者=17日午前、北海道新得町のトムラウシ登山口、戸谷明裕撮影遭難場所からヘリで救助された登山者=17日午前、北海道新得町のトムラウシ登山口、戸谷明裕撮影

写真:北海道大雪山系のトムラウシ山で、道警ヘリに救助される登山者ら=17日午前5時15分、HTBヘリから、葛谷晋吾撮影北海道大雪山系のトムラウシ山で、道警ヘリに救助される登山者ら=17日午前5時15分、HTBヘリから、葛谷晋吾撮影

写真:北海道大雪山系のトムラウシ山で、救助を待つ人たち=17日午前5時36分、HTBヘリから、葛谷晋吾撮影北海道大雪山系のトムラウシ山で、救助を待つ人たち=17日午前5時36分、HTBヘリから、葛谷晋吾撮影

写真:北海道・トムラウシ山で救助を待つ人たち=17日午前5時37分、HTBヘリから、葛谷晋吾撮影北海道・トムラウシ山で救助を待つ人たち=17日午前5時37分、HTBヘリから、葛谷晋吾撮影

図:  

 北海道大雪山系のトムラウシ山(2141メートル)と美瑛岳(2052メートル)で登山客らが相次いで遭難した事故で、北海道警は17日午前までに10人の死亡を確認した。18人が遭難したトムラウシ山では17日午前までに5人が自力下山し、道警などのヘリに13人が収容されたが、8人が死亡した。このツアーとは別に男性登山者1人が死亡して見つかった。6人が遭難した美瑛岳では17日未明、1人の死亡を確認した。北海道警は二つの遭難事故について業務上過失致死容疑でツアー会社側に対する捜査を始めた。

 道警新得署などによると、トムラウシ山で遭難したのは東京都内の旅行会社アミューズトラベルが主催したツアー。50〜60代の客15人(男性5、女性10)と、男性ガイド4人の計19人のパーティーだったが、ガイド1人が避難小屋に残ったため遭難時は18人だった。

 自力で5人が下山し、ヘリに収容された人のうち5人の生存が確認された。

 このパーティーが歩いたコースは、旭岳温泉から入山し、旭岳やトムラウシ山を2泊3日で縦走する「健脚向けのコース」。トムラウシ山はこの時期、花の山として人気があるが、山が奥深く、体力、精神力がないと登れないとされる。14日から16日にかけては雨や風が強く、気温も下がり、登山者の体力を奪ったとみられる。参加者の一人は「風が吹き荒れていたが、ツアーは計画通り出発した」と話している。

 一方、美瑛岳で遭難したパーティーは、茨城県つくば市の旅行会社オフィスコンパスが企画したツアー。女性客3人と男性ガイド3人が遭難した。道警旭川東署は17日午前0時40分ごろ、美瑛富士避難小屋で兵庫県姫路市の尾上敦子さん(64)ら3人を発見し、さらに避難小屋から南西の標高1850メートル地点で野営していた3人も発見。尾上さんはすでに死亡していたという。

 札幌管区気象台によると、14〜16日、道内は低気圧が通過し、大雨が降ったり強風が吹いたりした。トムラウシ山の標高2千メートル付近の16日午前9時の気温は6〜7度だったと推測されるという。帯広測候所によると、山頂付近では16日、20〜25メートルの強い風が吹いていたといい、同気象台は「体感温度はさらに低かったのでは」とみている。

 同気象台によると、16日午前9時の札幌市の上空1500メートルの気温は、11.4度で平年の13.5度より2度低かった。今年の北海道は7月に入って低気圧が通過する回数が平年より多く、2〜4日に1度は低気圧が抜けた後に寒気が流れ込む割合が増えているという。

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内