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一言メッセージ :燃費ヲタ・メカヲタの三十路野郎が、クルマと環境問題について拙い蘊蓄をカマします。

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エコロジー

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バードストライクを防げ!

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Causes of Birds Fatalitles ( 鳥類の死亡原因 )
 1万件中、上から
  風力発電 : 1以下 (?)
  通信タワー : 60
  農薬 : 710
  運輸機械 : 850
  ネコなど : 1060
  高圧送電線 : 1370
  ビルディング/窓 : 5820



 バードストライク (Wikipedia)


クリーンエネルギーとして注目を浴びている風力発電ですけど、
鳥愛好家 と 自然エネルギー推進論者 との間で、ややもすれば「エコvsエコ」という対立ともなっているのが、
バードストライクの問題です。

鳥衝突のリスクを ゼロ にすることは難しいでしょうけど、減らすための方策は検討されています。


ただ、
高層ビルや橋梁・高架、灯台など、さまざまな設備でのバードストライクが報告されている中で、
風力発電による事故死は全体の 0.01%程度、という見積りもあります。

生態学的には、
農薬、誤食、漁網被害、水質・大気汚染、森林伐採、干潟の減少、気候変動、などの方が、
風力発電よりもはるかに影響が大きいものと考えます。

特に、
化石燃料・原子力などによる汚染、バイオ燃料推進に伴う生息域減少、温暖化による環境変化
 ...などを回避する効果を風力発電が具えていることは考慮されて然るべきでしょう。
( 英国王立鳥類保護協会 などは、「 鳥類保護と風力発電推進とは両立する事ができる 」 「 誤って、風力発電を拒否する事は、結果として大災害をもたらす 」 という旨のアナウンスで、風力発電の推進を支持していますね。)


この問題、
ホンネでは、主観的な景観問題での嫌悪・禁忌が根本にあり、絶滅危惧種うんぬんはその方便、
 ...といった、客観的とは思えない主張も見受けられます。


最新の大型タービンは、可変ピッチ制御や翼形改善などにより、低回転化が進んでいます。
これは騒音低減・耐用年数延長にも適う事ですが、鳥からも認識しやすくなり飛び込む危険性は減少します。
また、モノポール型タワーは、従来の様に鳥が留まったり巣を作るような行動を取ることもありません。
http://farm2.static.flickr.com/1211/744829811_2093c413e9.jpg


とはいえ、
推進派・反対派 双方とも安易な一般化は禁物です。

また、
風力反対-鳥愛護派 からは以下の様な論点も挙げられています。
「 比率は低くとも、個体数が少なく繁殖成功率の低いイヌワシの様な希少種では、1個体死亡の影響は甚大 」


「開発と保全のトレードオフ」 はあらゆる方面の開発につきものであり、
総合的なリスク評価を継続する事は望まれます。

対策としては
1.野鳥の生態、生息数、渡りのルート など把握し、影響の少ない設置場所、タービン形式、運用法 を選定する。
2.低回転型の風車を採用する。( 騒音を下げることにも有効 ) および、モノポール型のタワーを採用する。
3.ローターに彩色し、野鳥からの視認度を高める。
4.レーダー・ソナーなどによるモニタリングをおこなう。( 下の 5 の条件を満足することにも有効か )
5.フラッシュ光・音波・電波などにより警戒を促す。
  ...などが挙げられると考えます。


参考

 世界中の鳥が絶滅の危機に アースポリシー研究所 ( 訳 : e's Inc )



 風力発電事業における鳥類衝突リスク管理モデル 島田泰夫(日本気象協会)/松田裕之(横浜国立大)
 風力発電と鳥の共存について 松田裕之

 風力発電施設が鳥類に及ぼす影響 中津 弘(大阪府立大)


 行き過ぎた風車バードストライク騒動は鳥を打つ 南北海道自然エネルギープロジェクト

 野鳥の衝突事故を防げ!! 宮島沼(北海道美唄市)のホームページ

 assessment of windfarms RSPB 英国王立鳥類保護協会 2008

 Benefits of Wind Power Audubon Society (USAの愛鳥団体) 2007

 results of Radar monitoring NERI デンマーク環境省

 Wind Energy Myths NREL 米国再生可能エネルギー研究所






〜7/8追記〜

この様なページが見つかりました。
 猛禽の森

冒頭で紹介されている カリフォルニア州の Altamont Pass は、
世界でも最も多くのバードストライクが報告されており、またこの問題における象徴ともなっている地域です。
http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/df/05/zaqwsx_29/folder/848660/img_848660_15720061_42?1247043081
その問題点としては、以下が挙げられます。
◇ 1980年代に建設された巨大ウィンドファームであり、環境への配慮が現在ほどではなかった。
◇ 風力発電所の造成による環境変化が、猛禽類の餌動物に生息場所を提供してしまった。
◇ トラス式タワーの風車が多いため、留り木としても飛来する。
◇ 旧式で小型・高回転型の風車が林立しているので、当然に鳥が巻き込まれる確率が高い。

この様に、
バードストライクが多発する風車と、そうではない風車とが存在することは広く指摘されています。
事故が起こりにくい風力利用のパターンを採用すれば被害を減らせるという可能性はあります。


とはいえ、
私も山間地などにウィンドファームを建設することには やや懐疑的です。
風況は必ずしも最善とは云えず、建設時の環境破壊も相対的には大きく、リスクトレードでの割は良くないのではないか? ...と考えるからです。

推進が望まれるのは、洋上風力発電ですね。 効率は、陸上の概ね2倍程度。
トリさんたち生息テリトリーを避けるための立地の選定も、陸上風力より自由度が高い様ですから。

http://farm2.static.flickr.com/1425/745647746_e2b40174c4_o.jpg

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風力に反対する愛鳥家たちには反捕鯨の連中にも似通ったおセンチを感じる。
象徴的な事例にのみ飛び付いて、生態系全体で鳥や鯨が瀕している影響は気にしないのか。

その「猛禽の森」というリンクも、鳥衝突が懸念されるというならそれだけを主張しておけばいい。「二酸化炭素削減に全く寄与せず」などという事実に反することを言うから胡散臭くもなる。
(化石燃料のエネルギ収支が1を超えるわけはない。エネルギー収支とコスト収支を混同?)
風力の評価を下方修正して太陽光の評価を上方修正することで、相対的に風力の評価を下げる、という作為の匂いも感じられる。 削除

2009/7/13(月) 午後 2:17 [ keisuke@nm ]

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あの「猛禽の森」の、EPR関連のデータは全体に古いとは思います。

> 火力のエネルギ収支が1を超えるわけはない。
指摘されているのは「電中研報告書などによる」という表だと思いますけど、
電中研は実際に以前あれに近い値を出しています。
ただ、それは燃料それ自体が持つエネルギーを無視した古いデータですけどね。
運転用燃料のエネルギーを考慮するなら、仰る通り、火力のEPRは1以下です。
> 作為の匂いも感じられる。
恣意的な感のする部分も確かにありますよね。

ただ、
バードストライクの被害統計については、
例えば 日本野鳥の会 と JPEC とが異なる値を出しています。
いずれにせよ被害を減らす対策は必須ですよね。

2009/7/13(月) 午後 7:00 [ 平山 滋 ]

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日本野鳥の会
http://blogs.yahoo.co.jp/weit_jp/10579145.html 削除

2009/7/16(木) 午後 4:41 [ keisuke@nm ]

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延縄漁業で死ぬ鳥の数は3億羽といわれていて、風力発電の鳥衝突の1万倍以上になる。

にもかかわらずgoogle検索の結果は
「風力発電 バードストライク」 の検索結果 約 4,550 件
「延縄漁業 鳥 混獲」 の検索結果 約 473 件

これはあまりにもバランスを欠いていると言わざるをえない。
鳥愛好家たちは文句を言う相手を間違えている。
結局は鳥衝突云々もNIMBY反対運動のいいがかりにすぎないのではないか? 削除

2009/7/16(木) 午後 5:02 [ keisuke@nm ]

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提示されているリンクは、
風発に携わっている方の記事ですから、話半分に聞くべきなのかも知れませんけど、「日本野鳥の会は,長期的に自然環境を保護し種を守るよりも,短期的に個々の野鳥を守ることしか興味のない団体」というのは、その通りだという気はしないではありません。

魚網による鳥類の被害については、
最低かつ確実 とされているセンでも 毎年およそ30万羽 と見積もられている様で、
いずれにせよ風発による被害とはケタが違いますね。
それ以外にも、
クジラ・イルカ、ウミガメ、などそれぞれ数十万頭ほどが「混獲」の犠牲になっているとされていますね。 網・縄に掛かる物の20%以上が漁業者の獲物である魚介類以外の海洋生物で、命を奪われた末に投棄されている、という説もありますね。

ただ、
風発のバードストライクだって痛ましい事故であることには、違いはありませんよね。

2009/7/17(金) 午前 4:26 [ 平山 滋 ]

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自然がこうむっている被害と風力発電の関係について理解することができました。確かに猛禽の被害は印象批判であることはわかります。数字は嘘を言いませんが、数字を提示する人間の意思を反映することもあると思います。
洋上風力発電はこうした被害にかなりよく対応できそうですが、アホウドリなど風にのって飛ぶ海鳥の生態は実のところほとんどわかっていません。

2009/7/17(金) 午後 10:07 taimyrensis

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