2009年7月18日0時12分
総選挙に向けた民主党の候補者選びは、小沢一郎代表代行(67)の岩手4区から東京12区への「国替え」問題が最後の焦点となった。東京12区は公明党の太田代表が立候補する注目選挙区。同区の民主党地方議員らが17日夜、小沢氏に直接、国替えを要請したが、小沢氏は明言を避け、結論は衆院が解散される21日以降になりそうだ。
小沢氏は17日夜、東京都内のホテルで民主党東京12区総支部内選出の都議・区議らと会食。出席者らは「思い切って決断してほしい」と国替えを要請した。小沢氏は「12区はおれが責任もって勝てる候補を立てる。おれも含めて具体名は一任してほしい」とし、「東京も岩手も自分で候補者を決める」などと語ったが、具体名は明かさなかったという。
会談は小沢氏の求めに応じて行われた。候補者の決まっていない空白区の地元幹部と小沢氏が直接会うのは極めて異例。「決意表明か」との憶測も呼んだが、ある出席者が「小沢氏は12区から出ないと感じた」と言えば、別の出席者は「(出馬要請を)真剣な表情で聞いてくれた」。結局、本心がわからないまま、対応を小沢氏に一任した。
国替え問題は、小沢氏の代表辞任で一度は沈静化していた。しかし、小沢氏の国替えとセットで衆院への「くら替え」を唱えてきた参院議員の田中康夫・新党日本代表(53)が兵庫8区からの出馬を決断。小沢氏も最近、選挙期間中は地方遊説より都内に残って情勢分析にあたることに重点を置く考えを党幹部に伝えた。「東京12区から出馬か」との憶測を呼ぶ「状況証拠」は少なくない。
太田氏の東京12区、公明党の冬柴鉄三元国交相の兵庫8区で、小沢、田中両氏が公明党との全面対決に臨み、小沢氏の「最後の戦い」の決意を示して旋風を起こす――。小沢氏が代表時代から検討されてきた構想だ。