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「東大合格生のノートはどうして美しいのか?」で「京大ノート」と京大について語り合った(右から)加納さん、水町さん、蓑輪さん、峰村さん(京都市左京区・京都大) |
東大生の受験生時代のノートから成績向上のノート術を提案したベストセラー「東大合格生のノートは必ず美しい」の第2弾「東大合格生のノートはどうして美しいのか?」(文藝春秋)が出版された。東大生のノートと比較しながら、京都大生の「自由の学風」らしい個性的なノートも紹介されている。
第1弾出版後に寄せられた疑問に「東大のノートにおける“美しさ”とは?」「東大ノートだけが美しいのか?」「東大ノートを“しごと”に活かせるか?」の3章で答えた。湯川秀樹博士(京大)らノーベル賞受賞者や文学者のノートも紹介している。
1番多かった質問が「京大ノート」について。著者のフリーライター、太田あやさんは京大のキャンパスで調査し、縦横自在な書き分けや4ページにわたる矢印、表紙にアートなイラストなど「ルールにとらわれない自由な美しさ」を見つけた。
学生、研究員の座談から、「京大生は受験時代のノートを紛失する」「教科書やプリントに書き込んでノートに整理しない」など個性的な学生気質も浮き彫りにしている。
京大の座談メンバーにあらためて聞くと、理学研究科大学院生、蓑輪陽介さん(26)は「東大ノートはきれいだと思うけれど自分には無理」。
理路整然なノートにならない理由を研究員の加納圭さん(28)は「ノートをとることだけに頭がいっぱいになるし復習に時間をとられる。時間があれば別のことをしたい」と説明する。
「最初はいつもきれいに書こうと思う」という研究員の水町衣里さん(29)は、メモ欄用に引いたけい線を飛び越えて書いてしまう。ノートにも、枠にとらわれない京大らしさが現れるようだが、1番若い経済学部3年の峰村聡さん(21)は「授業登録の規制など、京大らしい自由がなくなっているかも」とも話している。
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