2009年7月18日1時45分
東京都の石原慎太郎知事は17日、移転の方針を決めていた東京・築地市場について、現地再整備を検討する考えを明らかにした。都議選で第1党に躍進した民主党が強引な市場移転に反対しており、柔軟な姿勢を見せた。専門家を入れた会議を設けるという。
石原知事は、定数127の都議会で民主党が54議席を確保し、都政与党の自民、公明両党が過半数を維持できなかった都議選を受け、「民主党が第1党になると存在感は違う。それなりの礼を尽くすのは心得ている」と語った。
そのうえで、築地市場の現地再整備について、「私は今更という感じがするが、必要ならもう1回専門家を入れて検討したらいいと思う」と述べた。
築地市場をめぐっては08年5月、東京都江東区の移転予定地で環境基準の4万3千倍のベンゼンなどによる土壌汚染が見つかった。都は今年2月、586億円をかけて汚染を除去し、14年度に移転させる方針を示していた。