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イラン:原子力庁長官が辞任、改革派弾圧に抗議か

 【テヘラン春日孝之】イランのアガザデ原子力庁長官が辞任したことが16日、明らかになった。イラン学生通信が報じた。アガザデ氏は、先月のイラン大統領選を巡る不正疑惑でアフマディネジャド大統領の再選に抗議している改革派ムサビ元首相と親しい間柄とされ、辞任を巡り憶測が飛び交っている。

 アガザデ氏は、大統領選後の混乱が続いていた約3週間前、兼務の副大統領職を含めて辞表を提出、大統領は受理したという。アガザデ氏は辞任理由を明らかにしていないが、現政権の改革派弾圧に対する抗議の意思表示との見方が出ている。

 アガザデ氏は80年代のムサビ首相時代、首相の側近だった。85年~97年には石油相を務めたが、この期間は、今回の大統領選でムサビ氏を支援したとされる体制の重鎮ラフサンジャニ氏の大統領時代と重なり、同氏とも緊密な関係があると指摘される。

 このため、アフマディネジャド大統領が来月の2期目スタートに向け、「政敵であるラフサンジャニ氏の息のかかった勢力を排除する布石」との指摘もあり、権力闘争が絡んでいる可能性もある。その場合、後任の長官には強硬派が据えられる可能性が高く、核政策で何らかの変化が生じる余地がある。

 アガザデ氏は97年の改革派ハタミ前政権の誕生を機に原子力庁長官に就任、保守強硬派の現政権でも続投し、12年間にわたり核開発の責任者を務めた。

毎日新聞 2009年7月17日 10時49分(最終更新 7月17日 16時11分)

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