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「まさか自分の手で」 栄光と挫折見守った32年 住金和歌山製鉄所 (2/3ページ)
「高炉は製鉄所の象徴的存在。後ろ向きの計画ばかりが続き、所内の雰囲気は最悪だった」と佐伯さん。需要減少に歯止めがかからず、平成10年に粗鋼生産量は270万トンまで低下。12年には同製鉄所の技術系社員の中途採用を中断するなどリストラも加速した。
この間、佐伯さんは設備のメンテナンスを担当。老朽化が進んでも改修すらできない高炉を維持させる技術開発に腐心し、火を消さずに冷却装置を取り換える独自技術を生み出した。新第1高炉稼働で役割を終えた第4高炉は、「7年持てばいい」との考えで設計されたが、27年4カ月(1万1日)間稼働を続け世界最長を記録。佐伯さんとともに技術開発に携わった高炉プロジェクト部長の篠原均さん(58)は「この技術で高炉の寿命を延ばせたからこそ、和歌山製鉄所を維持できた」と振り返る。
住金は一時、株価が40円を切る危機に陥ったが、14年ごろに中国など新興国の鉄鋼需要が急増し息を吹き返す。エネルギー不足で原油価格が上昇し、シームレスパイプの需要も増えた。
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