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偏ってます
モノ語り
お店の方向性とか特徴を品揃えで判断できるとすれば、ウチは間違いなく異端なのかもしれない・・・
ふとそんなことを考えたりします。
特に時々電話で問い合わせとかあるんですけど・・・
○○のナイフは扱ってませんか?
え?ないんですか。
じゃぁ××のナイフは?
えぇ、それもないんですか?
じゃぁ一体何を扱っているんですか?
なんてコトがあったりします。
そんな時は凹むというか、なんかちょっと複雑な気分になります。
せっかく問い合わせいただいたのにお役に立てず申し訳ない、と言う気分と一方でなんで狙ったかのようにウチにないモンばっかり問い合わせてくんねん、って気分と・・・
インターネットを利用されている方で、ウチのWEBサイトをザッと見てからの方は端っからウチに問い合わせなんてしてこないでしょうケドね。
でも電話で問い合わせくれる方で、そう言った一般的な品物狙いの人は、普段WEBサイト見てなくて、たまたま昔の雑誌(あまりに内容が画一的ツマンナ過ぎて廃刊になったナ○フカ▲■グとか)見て電話してきてくれるんでしょうね。
確かにウチの品揃え、かなり偏ってます。
何もそうしたくて偏ったんではなく、自分の好きなモノ気になるモノ欲しいモノ、でまとめていけばそうなった・・・オイラのフィルターにザッとかければ、個性的だったりクセがあったり好みの大きく別れるモノだったり・・・そんな粗いけど間違いなく貴石のカタマリのようなモノが残った、って感じです。
まぁ電話で問い合わせてきた方に、こういうのがありますよ、と紹介してもたいがい、はぁ?みたいな反応なんでまず紹介することないんですけどね。
個性的なナイフメイカーと言えば思い浮かぶのが二部幸夫氏。
カスタムナイフメイカーってクセのある濃いキャラが多いんですけど、意外にナイフは素直な特徴のないモノだったりするんです。凡庸って言うんですかね・・・キャラ濃いくせに作品に反映できてる人は以外に少ないです。
まぁ濃いキャラをナイフに反映って言っても、表現の技術というのがないと出来ないモノですし。
そう言った意味でキャラが濃くてそれが作品にタップリ反映されている作家と言えば、間違いなく二部さんですね。もちろん他にも濃いキャラはいますよ。ボスキャラみたいなのが。そのひともなかなか納品してくれないケド(泣
前回、刀子(とうす)スタイルのデスクナイフを入手して、それが意外にササッと売れたモノですから、仕上がり待ちの分と含めて更に2本手に入れました。
一般受けするスタイルじゃないけど、ワカル人には見応えのある細工だと思います。
二部さん曰く、どんな風に製作しようかとアイディア練ってるときが一番楽しい、のだそうです。それと同時にアイディアがなかなか出てこないときはホントに苦しいのだと。
で、コレで一応コレまでに削りだしていたモノは終わり。次またなんかアイディア練って取りかかりたい、って言うことらしいのですが・・・
じゃぁ8月の終わりくらいには何本か出来上がりますか?って聞いたら、
「じょ、冗談じゃねーよ、今回のだって元ネタは去年から取りかかってるんだから」って言われました(汗
構想から下削り、そして仕上げまでかなりの時間を注ぎ込んで製作するスタイルなので、半年以上かかってやっと仕上がりだそうで・・・
二部さんと言えば「一期一会」の製作スタイルを標榜する一人。
一期一会スタイルって意味、お分かりいただけますか?
その作品は最初に見つけて手に入れた人のモノ、と言う意味で使います。後から気に入ったのでオーダーで、ってのはナシってコトらしいんですけど、それだけ1本のナイフに込める力が大きい分、同じモノを何本も作るのが苦痛でもあるってコトらしいです。この手間の掛け方ならなんとなくその気持ちもわからなくはない、と二部さんの作品を手に取る度にそう思うのでした。