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「特許の怪物」が韓国を襲撃(下)

 そうした理由から、ソウル大、KAISTなど主要大学は最近、IVとの協約締結を制限することを決定した。国内のアイデアが外国企業を儲けさせ、ややもすると韓国企業を攻撃する致命的な手段になり得るとの懸念からだ。ソウル大の徐鎮浩(ソ・ジンホ)産学協力団長は、「国民の税金による支援を受けて運営している大学で開発された特許が、韓国企業に被害をもたらすことなどあってはならない」と述べた。

◆国家次元での対策が急がれる

 しかし、韓国の大企業が国内の大学が保有する特許の価値を過小評価している状況では、事態を大学のせいばかりにもできない。KAIST関係者は「企業は価値が5億ウォン(約3690万円)程度ある特許を2000万ウォン(約147万円)で買い取ろうとする。こうした状況が続けば、大学の特許が国外に流出するばかりだ」と嘆いた。

 専門家は政府や大企業が共同特許ファンドの創設などの対策を講じて、国内の特許が安値で海外に流出する事態を防ぐべきだと指摘する。韓国大学技術移転協会のソン・ヨンウク事務局長は「韓国とインドがIVによる主な攻撃対象になっているが、両国の共通点は大学の技術力は高いものの、それが特許にほとんど結びついていない点だ」と分析した。

 ソン局長は「政府と企業が共同で特許ファンドを創設し、韓国の大学の特許アイデアの価値を認めることが問題の解決策になる」と訴えた。

 日本のケースも参考にすべきだ。日本では最近、政府予算820億円に加え、民間企業、金融機関が出資する形で、資本金1兆円規模の「産業革新機構」を発足させることが決まった。この機構は15年の時限付きで運営され、大学と企業の特許実用化に集中的な資金支援を行う。それにより、IVのような企業の日本「侵攻」を防ぐといった構想だ。

成好哲(ソン・ホチョル)記者

趙虎鎮(チョ・ホジン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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