2009年7月17日 20時15分更新
16日、北海道の大雪山系のトムラウシ山で、中高年を中心とした登山グループなどが悪天候のために遭難してあわせて9人が死亡し、このうちの1人は岡山県倉敷市に住む女性と確認されました。
死亡が確認されたのは、倉敷市児島柳田町の岡恵子さん(64)です。
岡さんは東京の旅行会社「アミューズトラベル」が企画したツアーに参加し、北海道の大雪山系にある標高2141メートルのトムラウシ山に登り、16日、悪天候のために遭難しました。
ツアーの参加者とガイドあわせて18人のうち、男女10人は、自力で下山したり救助されたりしましたが、警察などが捜索した結果、山の中腹や山頂近くで岡さんを含めた男女8人が意識不明の状態で見つかり、いずれも死亡が確認されました。
トムラウシ山では、このグループとは別に1人で登山をしていた男性も死亡し、亡くなった人はあわせて9人に上っています。
死亡した岡恵子さん(64)と同居している倉敷市児島柳田町の次男によりますと、岡さんは20年ほど前から山登りを始め、最近は月に2,3回ほど登山に出かけていました。
今回の登山では岡さんは13日早朝に自宅を出て北海道に向かいました。
しかし、16日夜9時ごろに旅行代理店から自宅に岡さんが遭難したという連絡があったあと、17日午前9時半ごろに北海道の警察から死亡が確認されたことを伝える連絡があったということです。
岡さんは出発の前日に自宅のテレビで週間天気を見た際に北海道が雨の予報だったため、「楽しみにしていたのに雨が降りそうで残念だ」と話していたと言うことです。
次男は「冬山だけには登らないというのが約束だった。まだ顔も見てないので実感もないし信じられない。夢でもみているようだ早く家に連れて帰りたい」と悲痛な面持ちで話していました。
次男は17日夕方に岡山空港を出発する飛行機で北海道に向かいました。
亡くなった岡恵子さん(64)の夫の覺二郎さん(73)は「いつも通り『気をつけてな』といって見送ったらこんなことになってしまった。くやしくてたまらない。山が好きで好きで、いつも楽しそうに出かけていたから本望なのかもしれん」と声を詰まらせながら目に涙をためて話していました。