話題のマンガの魅力を担当編集が語る「担当編集に質問状」。今回は、最強の不良少女と手芸部所属の草食系男子のミスマッチカップルが引き起こすクリスタルな洋介さんのドタバタラブコメディー「オニデレ」です。少年サンデー編集部の茂木俊輔さんに作品の魅力を聞きました。(回答はほぼ原文のまま掲載)
--作品のストーリーと特徴を教えてください
手芸部員の中学生・今元正の恋人は、県内最強の不良少女・育島サヤ。「鬼頭のサヤ」の異名を持つ彼女は、個性派不良集団・鬼頭衆の女番長で、周りから恐れられる存在。そのため、付き合っていることは2人だけのヒミツ! 圧倒的な戦闘力で、校舎をも破壊してしまうようなサヤだけど、正の前ではいちずで可愛い女の子。今日も2人は、鬼頭衆や周りの生徒たちの目を逃れながら、なんとか普通のカップルと同じように過ごすことを目指してゆく!……というお話です。手芸少年と不良少女という「ミスマッチ」なカップルが巻き起こす、愛と笑いの日々をお楽しみいただければと思います。
--作品の誕生した経緯は
「バンパイアハンターに恋するバンパイア少女」「ひ弱なメガネ君に恋する女子空手部主将」など、異色カップルが登場する読み切り作品を得意としていたクリスタル先生。連載企画の打ち合わせで、「草食系男子読者率が多いであろうサンデーなら、『草食系男子とヤンキーガールのカップル』が一番いいよね」ということで、サヤと正のキャラクターができあがりました。「オニデレ」というタイトルは、「オニのようにデレデレなサヤ」を意味してつけたものです。
--作品でこだわっている点は何でしょうか?
キャラクターに対する、クリスタル先生の異常な愛情が、こだわりです。主役のサヤと正はもちろんのこと、レギュラーキャラである鬼頭衆の面々(ユナ、ミヅキ、モモ)や、生徒会執行部(木下、サキ、修)、さらには数十話に一度しか出てこない脇役から、モブである超脇役に至るまで、とにかくキャラクターを作り込んでいます。前にサイン会をやった時も、ファンのお客さんたちが「描いて!」とリクエストしてくるキャラが、非常にバリエーションに富んでおり、先生の「キャラ愛」は、ちゃんとファンに届いているなあと実感したものです。あとは、主人公が特に理由もないのにモテまくる、ご都合ハーレムラブコメにならないよう、正の魅力を押し出したり、ヒロイン目線の描写を中心にすえるようにしています。
--読者にひと言お願いします。
連載を始めて、まだ1年あまりのクリスタル先生ですが、ものすごいスピードで進化を遂げ、作品のパワーも毎週ガンガン上がっています。「微笑(ほほえ)ましさ」をお届けするミスマッチラブリーギャグ「オニデレ」を、皆様どうぞよろしくお願いいたします。
少年サンデー編集部 茂木俊輔
オニデレ クリスタルな洋介 1~3巻 420円 週刊少年サンデーで連載中
2009年4月6日