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INsideOUT:日替わりキーマン討論 政局白熱化の中、存在感増す--BS11

 政治、経済、国際問題などのキーマンが日替わりで出演し、生放送で討論する「INsideOUT」(平日午後10時)はBS11の看板番組だ。民主党の歴史的勝利に終わった東京都議選告示日直前の6月29日と7月2日、それぞれ招かれた民主党と自民党の重鎮の本音を聞こうと、都内の同局スタジオを訪ねた。【栗原俊雄】

 6月29日午後9時半、スタジオ入りした菅直人・民主党代表代行を待っていたのは、この日の解説者、松田喬和・毎日新聞専門編集委員。菅氏とは30年近い付き合いで本音を引き出すには適役だ。

 松田委員は岡田克也氏と鳩山由紀夫氏が戦った代表選を振り返り「民主党は大人の政党になりましたね。以前ならば3人、4人と立候補したでしょう。でも今回は菅さんまで球拾いに回った」と話すと、菅氏は「みんないろんな失敗をして、多少成長しましたからね」と応じた。

 この日のテーマは「民主政権 この国のかたち」。菅氏は、官僚が法案を立案し、与野党への説明や根回しをしている日本の現状を「官僚内閣制」と批判。さらに「国民の審判を経て多数派となった政党が内閣全体に責任を持つ。だめなら下野すべきだ」などと話し、政党と内閣が一元的に運営される政治システムの構築を訴えた。

 司会の二木啓孝BS11解説委員が「それでは(教科書的な)三権分立と異なるのでは」と疑問を呈すると、菅氏は「憲法には、三権分立とは書いてありません。議院内閣制の理解が間違っている」と声を高め、スタジオに熱気がこもった。

 一方、7月2日のゲストは自民党の論客、茂木敏充衆議院議員。麻生太郎首相が模索した内閣と自民党執行部の改造が林芳正、林幹雄両氏という2閣僚の補充に終わったことについて「大山鳴動林2人」と評して、迷走劇を批判。東国原英夫・宮崎県知事を衆院選に担ぎ出そうとしていることについても「人気のある知事を連れてきてこと足れり、というのではなく、何をやりたいのかはっきりさせないと」と切り捨てた。

 ◇本意、存分に語ってもらう 出演者、放送直前に決定も

 番組がスタートしたのは07年12月。BS11の開局と同時で、司会者とジャーナリスト、ゲストの3人が約45分間討論するというシンプルな構成は今も踏襲している。

 BS11の鈴木哲夫報道局長は「(地上波局に比べ)当社は現場の記者が少ない。それならば現場をスタジオにもってこよう、と考えた」と話す。旬の人物の話をじっくりと聞き、本音を引き出す狙いで、「1分2分と短い時間でコメントをとる地上波の番組に対するアンチテーゼ」と主張。元フジテレビ政治部記者だけにその言葉は説得力がある。

 番組を生きのいいニュースに連動させるため、出演者は放送直前に決めることもある。「はらはらします。でもいいゲストを呼べた時の充実感は大きい」

 コメント時間が短い他局のニュースなどでは、出演者が本意を伝えきれなかったり、間違った発言をした場合に訂正する余裕も少ない。また各党の党首クラスを招く討論番組も、それぞれが短い時間を奪い合うように話し、出演者、視聴者にも物足りなさが残りがちだ。これに対し、時間に余裕がある「『INsideOUT』は長く話すことができるので、ためらいなく出演できる」と茂木衆院議員は話す。

 衆議院の解散・総選挙の日程が決まり政局が熱を帯びるなか、同番組の存在感はさらに増している。

毎日新聞 2009年7月17日 東京夕刊

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