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July 15, 2009

民主党、公約から別姓を外す

 なんともショッキングなニュースが。民主党はマニフェスト(政権公約)から選択的夫婦別氏制度はじめ民法改正について、明記を見送る方針を決めたそうです。

 朝日新聞「民主公約、夫婦別姓明記見送り 党内に根強い慎重論」(2009年7月15日)

消極姿勢の背景には、党内に根強い保守系議員を中心とした慎重論がある。マニフェスト検討段階で推進派が「国民の関心も高く、コストもかからない」と明記を求めたのに対し、ある幹部は「これまでは野党だから(否決前提に)提出できた」と説明したという。(上記記事より)

 なんとも信じがたいことですが、確かにこういう話はそれとなく耳にしておりました。「これまでは野党だから、法案を提出してもどうせ成立しないから、法案を再提出するにも党内審査は簡単にパスできた。だがいざ参議院で優位となり、成立の現実味が高まってくると党内から抵抗がでるようになった」というニュアンスでした。誰かがこう発言したというわけではなく、そういう雰囲気の話があると。うわさ程度ですが。

 しかし、それはとても悲しいことです。以前、民主党議員が街角で演説していて「選択的夫婦別氏制度の実現を願っています」と声を掛けたら

 「ええ!政権交代したらぜひともやりますから!」

 と、力強いお返事をいただけました。本人は推進派なので、その言葉に偽りはないとしても、逆に言えば「政権交代するまでは(議員の数が足りないので)、実現できません」ということで、支持や信頼を集めていたはずです。念願の実現に向けてあともう少しというところで「やっぱ無理」なんてことになれば一体今までの期待は何だったのか。

 あとけっこう昔の話ですが、かつて民主党にいた西村眞吾氏や山谷えりこ氏は明らかに民法改正に反対していました。しかし民主党から出て行きましたので安心はしていたのですが、まだ隠れ反対派がいたということですね。誰でしょうか。夫婦別姓に反対するような保守系の勢力というと、元自由党の議員だろうか、なんて声もちらほら聞こえます。

 しかしまだあきらめてはならないと思います。先の見通しの悪い話を教えてくださった人は、「しかしそうなるかどうかは私たち(市民や支持者)次第」と言いました。民主党に民法改正の実現を望む声が大きければそうなることはないということです。これまで「政権交代すれば(自動的に)成立する」と安心し、あまり陳情しなかったのがこういう事態をよんでしまったのかもしれません。

 「民法改正に前向きだからこそ支持しているのに!」という声が多ければ民主党の幹部も考えを変えざるをえないでしょう。声を上げないと、と思います。しかし突然の方針転換や自民党などで抵抗に遭ったことを考えると気が重いのですが。

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Comments

以前免許証に旧姓を記載したままにする件でコメントしたことがある者です(HNは当時と違っているかも知れません、すみません)。法律婚で戸籍は夫の名字ですが、生活上は可能な限り本来の名字を使うという運用をしています(6年目)。

いやはや、びっくりしました。と同時に失望しました…が、それでは何も始まらないので、初めて民主党にメールを送りました。勢いで。マニフェストからの民法改正の削除を撤回してくれることを切に望みます。あぁ…民主党…

Posted by: chakumi | July 15, 2009 at 08:28 PM

chakumiさん、どもども、お久しぶりです。

そうなんです。ここであきらめちゃいけません。
政権交代が現実味を帯びてくるのと同時にこの懸念も浮かんできていました。いよいよこちらも現実味を帯びてきたという感じです。

結局、どの政党が与党になっても、与党には声を出さないといけないのだと思います。声がないと無視されますから。それに記事にも書きましたが、本当に民主党が民法改正を切るかどうかは、私たち次第なんです。だから小さな声でも、できるだけ届けるようにするのが必要だと思います。たとえまだゴールが先だとしても。

あきらめないのが大事なんです。これまでも「もう少し」と確信を持てることはありました。しかし見えなくても抵抗する勢力もしかと存在するのです。そして期待が打ち砕かれたことを何度か繰り返し・・・やはりあきらめてはいけない、それがどれだけ大事で大変なことか、よく身にしみて分かるようになりました。

あきらめないこと。どうかそれだけは忘れないでくださいね。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | July 15, 2009 at 10:53 PM

ご紹介いただいた記事を読んで
驚くやら
憤るやら・・・

chakumiさんと
待つ身さんに
勢い&勇気をいただいて
事実婚7年目の当方も
早速、民主党にメールしちゃいました。

今後の推移を注視したいと思います。

Posted by: かめはめは | July 15, 2009 at 11:42 PM

かめはめはさん、お久しぶりです。

私も(多少は覚悟していたとはいえ)、
驚き、裏切られたという怒りと悲しみで動揺しています。

しかし本当にまだ分かりません。
民主党内にも阻止を試みる勢力がいると覚悟を決め、あきらめずにできることを探し、できるだけ正確な情報を収集していこうと思います。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | July 16, 2009 at 01:14 AM

はじめまして。
別姓6年目、子ども2人の夫婦です。
民主党のこの件のニュースについては本当にがっかりしました。
もうあきらめるしかないのかしら…と思いましたが、
おっしゃる通り、黙っていてはだめ。
しっかりと声をあげて声を届けることが必要ですね。
早速、民主党にメールしました。

Posted by: こたろー。 | July 16, 2009 at 02:21 PM

今回の記事、本当にショックですね。
夫婦別姓のことを、自分の選挙区の民主党候補 (東京13区) にホームページ経由で聞きました。すると、議題にあがった場合には賛成するつもり、とのお返事が。
とりあえず民主党にもメールはしましたが、たぶん大量のメールをさばく事務員が要望の数をカウントするだけで終わってしまう気もします。自分の選挙区の候補に直接要望を伝えるほうが、ひとりひとりの議員に要望が伝わって、将来、いざ法案が動くか動かないかというときに、力になってくれる・・・といいなぁ。
実家の選挙区の民主党候補者にもメールしてみようかと思っています・・・両親は自民党支持なんですが、内緒です (^^;

Posted by: たっきー | July 16, 2009 at 08:16 PM

たっきーさん、東京13区ですか。近いですね(^o^)
現職は自民の鴨下さんですが、民主の城島さんも健闘していますよね。
やはり地元選挙民というのは強いですよ。町名を出してあいさつすると絶対に話を聞いてくれますから。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | July 17, 2009 at 03:41 PM

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Tracked on July 16, 2009 at 06:40 PM

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